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【主張】芸人処分 反社会的勢力と断絶せよ

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 吉本興業などのお笑い芸人らが、反社会的勢力の主催する会合に出席したとして謹慎処分となった。「雨上がり決死隊」の宮迫博之さんをはじめテレビによく出演する人気芸人もいる。

 新たに暴力団関係者の会合に同席したとして、同社のお笑いコンビ「スリムクラブ」の2人も無期限の謹慎となった。いずれも会社を通さない、いわゆる「闇営業」だったとされる。

 どんな理由があれ、反社会的勢力とのつながりは許されない。本人も芸能事務所も猛省しなければならない。

 処分された芸人らは、特殊詐欺グループが主催するパーティーに出席し、報酬を得ていた。吉本興業の別の芸人はすでに吉本との契約を解消された。

 芸人らは当初、金銭の授受はなく、相手が反社との認識はなかったと説明していたが、その後の会社の聴取に、対価を受け取っていたことを認めた。反社の認識についても、素直に聞くわけにはいかなくなった。

 虚偽の説明を受け入れていた吉本側の姿勢にも問題がある。なぜ最初から徹底的に調査し、厳しく処分しなかったのか。仲介した芸人の契約解消で事態をすませようとし、売れっ子には甘かったとみられても仕方あるまい。

 吉本興業では平成23年、島田紳助氏が暴力団関係者との交際を認め、芸能界を引退した。これを機に反社との断絶に乗り出したはずだが、取り組みは甘かったと断ぜざるをえない。

 一方で別の側面もある。特殊詐欺グループの会合は5年前、暴力団関係者の会合は3年前だった。問題の発覚は、情報が写真週刊誌に持ち込まれたことによる。一般に、一度反社と関係を持てば、これを断ち切ることは難しい。関係があったこと自体が恐喝の材料となり、脅しに屈すれば、それは新たな恐喝のネタとなる。

 負の連鎖はどこまでも続く。大相撲の野球賭博問題では、賭博に関わった当時の大関らが協会を解雇され、賭博関係者からは口止め料を脅し取られていた。

 反社の恐ろしさを知るべきである。だからこそ組織としての毅然(きぜん)とした対応が求められる。

 芸能界が長く、反社と深い関係にあったことは事実だ。真の断絶には多大な労力を要する。業界全体で立ち向かう必要がある。

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