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【主張】G20サミット 中国問題を素通りするな

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 20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)が28、29の両日、大阪市で開催される。その合間や前後には、日中、日露、米中など2国間の重要首脳会談も開かれる。

 合計すると世界の国内総生産の8割以上になる国々の首脳が集う。安倍晋三首相は日本と世界の安定と繁栄のため、力強い外交を展開してほしい。

 G20サミットで、日本は「信頼性のある自由なデータ流通」のためのルール作りを提案する。世界経済の健全な発展に欠かせないテーマだ。世界貿易機関(WTO)改革や海洋プラスチックごみ削減も課題となる。

 今、日本と世界が直面し、世界経済の行方を左右する最大の問題とは何か。それは、米国と中国による安全保障、経済など広範囲な分野での深刻な対立だ。

 昨年12月のアルゼンチンでのG20サミットに際し、トランプ米大統領と習近平中国国家主席は会談した。通商問題の打開を目指す方針で一致したが、今も決着の見通しはついていない。

 大阪で米中両首脳は会談する。安倍首相はトランプ大統領と盟友関係にある。習主席との間では関係改善を進めている。一度の会談で深刻な対立が解けるわけもないが、米中協議が進展するよう両首脳に働きかけてほしい。

 強調しておくべきは、米中対立の根本には中国の問題がある、という点だ。中国は、日米欧など先進国が整えてきた市場経済のルールを尊重せずに経済大国化し、覇権を追求するようになった。

 中国の不公正な振る舞いが、世界の安定と繁栄を動揺させている。だが、その認識が各国首脳に行き渡っているとは言い難い。むしろ、多国間協調に後ろ向きなトランプ大統領の言動ばかりが懸念されている。

 G20サミットは、トランプ大統領に独善的な行動を控えてもらうべきであるのはもちろんだが、各国首脳に中国問題を重視してもらう場としたい。

 そこには人権問題も含まれる。香港の「逃亡犯条例」改正案は棚上げされたが、「一国二制度」破壊の懸念は残る。ウイグルやチベットでは深刻な人権侵害が続いている。これらを素通りしては、自由や人権、民主主義を掲げるアジアの国日本でG20サミットを開く意義が問われよう。安倍首相の腕の見せ所である。

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