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【主張】香港の一国二制度 G20で主要議題に加えよ

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 香港市民の猛反発を招いた「逃亡犯条例」改正案は、立法会(議会)での審議が延期された。

 香港特別行政区政府トップの林鄭月娥行政長官は18日の記者会見で、改正案を巡り混乱を招いたと謝罪した。市民の理解が得られない限り、審議再開はないと述べた。

 抗議の沈静化を狙う譲歩だろうが、改正案撤回は言わない。将来成立を図る余地を残すと疑われても仕方あるまい。

 市民の抗議デモは16日には約200万人に達した。事態は長期化の様相をみせていた。

 中国本土への容疑者引き渡しを許す改正案は、司法の独立という「一国二制度」の根幹を揺るがす内容だ。高度自治を実効あるものとするには、香港政府による撤回の確約が最低限必要だ。

 1997年7月の香港返還から間もなく22年を迎える。この間、中国共産党政権は、香港での治安法令の強化や「愛国主義教育」持ち込みを図り、香港市民と国際社会の反発を招いてきた。

 習近平国家主席の就任後は、香港の言論の自由まで急速に脅かされ、中国の「一国」支配だけが強まっている。大規模デモは「二制度」を踏みにじられた香港市民の危機感の表れである。

 国際都市・香港での異なる制度を返還後50年認めたのは、中国政府の世界に対する公約だった。高度自治の侵害を拒む香港市民を国際社会が支援するのは当然だ。

 米議会では、返還後の香港に付与してきた関税などの優遇措置が妥当か、「一国二制度」の検証を義務付ける法案が提出された。

 米国による香港への高関税適用には、親中派で固めた香港財界も懸念を強める。香港を経済活動の「抜け道」とする中国経済にも痛打となる。

 中国政府は香港の高度自治を守ろうとする米国に「粗暴な干渉」だと反発するより、「一国二制度」の破壊をやめるべきだ。習氏は北朝鮮訪問で国際社会の目を香港からそらしたいのかもしれないが、無駄な試みである。ポンペオ米国務長官は、大阪での20カ国・地域首脳会議(G20サミット)に際しての米中首脳会談で、香港を議題にすると明言した。

 香港問題への取り組みを米国任せにしてはならない。議長役となる安倍晋三首相には、香港の高度自治の問題をG20サミットの主要議題としてもらいたい。

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