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【主張】G20とプラごみ 海洋国家の知恵を示そう

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 長野県軽井沢町での20カ国・地域(G20)エネルギー・地球環境分野の閣僚会議で、海洋プラスチックごみの削減に向けた国際枠組みの構築が合意された。

 便利な素材として現代社会で多用されてきたプラ製品だが、使用後に適切な処理ルートから外れたものが、最終的に海にたまり続けて新たな地球環境問題になっている。

 この海洋プラごみの解決を目指す、初の国際的な取り組みが動き始めたことを歓迎したい。

 ただし、議長国の立場ゆえに、日本が過重な負担を背負い込むという不衡平は回避しつつ、海洋国として海のプラごみ問題の解消で存在感を示すことが重要だ。

 世界の海には毎年、800万トンのプラごみが流れ込んでいるとされるが、正確な量はつかめていない。波などの力で小破片となったマイクロプラスチックは、有害な化学物質を吸着して海洋生態系を脅かすともいわれるが、詳細は未解明だ。

 こうした基礎研究の領域で海洋国家・日本の本領を発揮することが世界への貢献の本筋だろう。

 今回のG20の閣僚会議で日本は来年4月からのレジ袋有料化の方針を示したが、本質的な問題解決からはほど遠い。

 国内の年間廃プラ量は約900万トンであるのに対し、使われているレジ袋は約20万トンだ。海ごみに化すのはその一部にすぎないからである。マイバッグですべてが解決すると考えるのは早計だ。

 海洋プラごみ削減と資源の有効利用の観点から重要なのは、ペットボトルなどをはじめとするプラ類のリサイクルと再利用率の改善である。

 生分解性プラスチックの利用とともに、包装材として竹の皮や木材を薄く削った経木(きょうぎ)の利用も復活させたい。森林の荒廃防止につながるし、オリンピックで訪日する諸外国の人々に伝統的な和の知恵として披露できる。

 海へのプラごみ流出は、米国の大学などの研究で、東南アジア諸国からが多いとされている。

 日本の海岸には中国や韓国などの周辺国からの廃棄物が大量に漂着して深刻な事態になっていることも忘れてはならない現実だ。

 海へのプラごみは、沿岸国だけでなく河川を通じて内陸国も発生源となる。G20以外の国々への働きかけの拡大も急がれる。

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