PR

【主張】大阪の交番襲撃 再発の防止に万全を期せ

PR

 地域の安全の要となる交番の前で警察官が襲われ、拳銃が奪われた。容疑者が逮捕されるまでの間、住民が感じた不安は計り知れない。動機の解明とともに、再発防止に万全を期さなければならない。

 昨年は富山市、仙台市で相次いで交番の警察官が襲われ、亡くなっている。富山市の事件では奪われた拳銃で近くの小学校にいた警備員が殺害された。昨年の事件を受けて警察庁が安全対策を強化している最中に、大阪府吹田市で今回の襲撃は起きた。できる対策は早く、確実に行うべきである。

 警察庁は、耐刃防護服の常時着用を指示し、拳銃を奪われにくい新型の拳銃入れの配備を進めてきた。大阪府警でも5月から新型の配備を始めていたが、予算などの関係から全員には行き渡っておらず、今回襲われた巡査は、旧型を着用していた。

 事件には、巧妙な手口もうかがえる。交番には3人が勤務していた。虚偽とみられる空き巣被害の通報があり、上司2人が出動した後、巡査は1人で出ようとして襲われたらしい。耐刃防護服を着ていたのに左胸などを刺された。巡査には深く同情したい。

 だが、拳銃を奪われることは警察官として最も避けなければならない事態である。現在の耐刃防護服で強い攻撃性を持った者の襲撃を防ぎきれるのか。

 新型の拳銃入れも、警察官が深い傷を負った場合にどう備えるかなど、二重三重の手立てを考えながら配備を急ぐべきである。可能な限り複数での行動を取れば、襲われる可能性も低くなろう。検証すべき事柄は多い。

 府警は今年度中に、府内の全交番に内部の事務室を写す防犯カメラを設置する。抑止効果にも期待して、作業を急ぎたい。

 事件は、月末に大阪市内で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に備えて警戒を強めている中で起きた。警察は今回の事件を教訓として、G20の安全な開催に全力で取り組まなくてはならない。

 交番は、日本の治安を守ることに尽くしてきた制度である。海外からも注目されている。

 地域に開かれた交番制度をなくすべきではあるまい。警察官自身が襲撃への危機意識を強く持つ一方、予算や人員の増強を含めて、地域のおまわりさんを守るすべを社会全体で真剣に考えたい。

この記事を共有する

おすすめ情報