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【主張】オンライン診療 安全重視し利便性高めよ

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 スマートフォンやタブレット端末を使って医師の診察を受ける「オンライン診療」について、厚生労働省の検討会が指針の改定案をまとめた。

 現行の指針では初診は対面診療で行い、オンラインはその後で利用するのが原則だ。だが、初診の定義や、原則から外れるケースがはっきりしていなかった。

 改定案ではオンラインで初診を行ってもよい「例外」を挙げた。離島や僻地(へきち)で1人しかいない医師が急病になった。患者が専門医療を受けられない。こうした場合には他の医師や専門医の初診をオンラインで受けられるようになる。医療サービスの偏在を解決する有効な策となろう。

 秋田県のある村で今年初め、村立診療所の唯一の内科医がインフルエンザにかかった。診察ができなかったため、慢性疾患の高齢患者らの体調を看護師から聞き取り、処方箋を出した。内科医は減給の懲戒処分を受けた。医師法は医師が診察せず処方箋を出すことを禁じているからである。

 指針が改定されれば、同一医療区域の別の医師が初診の患者にオンラインで診療を行うことができる。かかりつけ医などが同席すれば、患者が専門医の初診を受けることも可能となりそうだ。

 医療サービスが不足する地域でも患者が質の高い医療を受けられるよう、医療技術や情報通信技術の進歩に合わせた診療形態にすることが理想的である。

 課題はある。実際にオンライン診療を行う医療機関はまだ、ごく少ない。対象疾患は生活習慣病などの慢性疾患が中心である。悪質な医療機関が、医師でない人物に対応させる例もあるとされる。

 可能性のある新しい診療の方法だからこそ、チェックは厳しくしなくてはならない。医療サービスの行き届かない地域に質の良い医療をどう届けるか、よりよい可能性を探ってもらいたい。

 オンライン診療は始まったが、薬剤師による服薬指導は対面が原則である。患者はオンライン診療を受けても、薬の受け取りでは薬局に出向かなければならない。この分野の整備も急がれる。

 性犯罪にあったときなどに、72時間以内に服用して望まぬ妊娠を避ける「緊急避妊薬」も今回、例外事例に位置づけられた。必要とする人に正しく届くようにしなくてはならない。

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