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【主張】巨大IT規制 利用者守る仕組み整えよ

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 政府が成長戦略の素案で、巨大なIT企業に対する規制方針を盛り込んだ。これら企業は「プラットフォーマー」と呼ばれ、社会的な基盤として広く利用されている。

 しかし、独占的な事業構造が公正な取引環境を阻害しているとも指摘されている。

 このため、政府は独占禁止法を補完する新法を制定し、優越的な地位の乱用を防いで適正な競争環境を確保する。また、個人のプライバシーを守るために個人情報保護法も改正する。

 利用者保護を徹底するためには実効的な規制が欠かせない。

 国境をまたいで事業展開するプラットフォーマーへの規制は、米国も検討を始めるなど世界的な課題となっている。日本は違反行為の摘発にあたって海外当局とも緊密に連携してほしい。

 社名の頭文字を取って「GAFA」と呼ばれる米グーグルやアップル、フェイスブックなどの巨大IT各社は、インターネットを通じて大量の個人情報を収集し、それを活用して巨額の広告収入をあげている。だが、その経営実態は不透明な部分が多く、政府が新たな規制の枠組みを設けるのは当然である。

 こうした企業は独自のビジネスモデルを構築し、その強い立場を使って中小企業などに取引条件の一方的な変更を迫るなどの動きもみられる。そうした行為は独禁法が禁じる優越的な地位の乱用にあたる疑いがあるが、取引条件が明確に示されないなど実際の摘発には課題を抱えている。

 このため、政府は独禁法の補完に向けて取引条件の開示を求める「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案(仮称)」を来年の通常国会に提出し、取り締まりを強化する。健全な競争を促して利便性の拡大を図ってほしい。

 公正取引委員会の調査では、プラットフォーマーによる情報の取り扱いをめぐり、利用者の8割近くが不信感を抱いているという。フェイスブックでは昨年、世界で最大8700万件に及ぶ情報漏洩(ろうえい)が発覚した。こうした事態を防止して個人情報を保護するための取り組みも不可欠である。

 日本が議長国を務める20カ国・地域(G20)首脳会議では、プラットフォーマーに対するデジタル課税も主要議題となる。公平な課税ルールの確立について日本が積極的に主導すべきだ。

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