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【主張】ふるさと納税 創意工夫競う原点に返れ

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 6月からふるさと納税制度が変わり、過度な返礼品競争を是正するため総務省が対象自治体を指定することになった。

 商品券などを返礼品としていた大阪府泉佐野市や静岡県小山町など4市町が対象外となり、寄付をしても税優遇が受けられなくなる。

 総務省は再三にわたって自粛を求めてきたが、従わなかった。健全な競争を促すためには必要な措置といえよう。

 応援したい自治体に寄付すると地方税や所得税が控除されるのがふるさと納税である。地方の創意工夫で地元をアピールし、地域振興につなげるのが目的だ。寄付金集めのために金券類を提供するのは明らかに行き過ぎである。

 地方自治体は制度創設の原点に立ち返るべきだ。寄付金の使途を明示するなど、多くの賛同者を集める知恵を尽くしてほしい。

 政府はふるさと納税の利用拡大に向け、減税額の上限拡大や手続きの簡素化を進めてきた。その結果、平成29年度の寄付総額は約3653億円となり、5年連続で過去最高を記録した。制度が始まった当時の45倍の規模である。

 一方で、換金性の高いギフト券が返礼品として提供されるなど競争も激化した。このため、総務省は数年前から「返礼品は寄付額の3割以下」などと求めてきた。

 それでも一部自治体が要請に応じなかったため、政府は地方税法を改正し、6月から対象自治体を指定する仕組みに改めた。

 これに伴って4市町が除外された。不適切な返礼品を提供していたとされる43市町村は、今年9月までの限定で認められた。総務省は制度の運営状況をみて今後の対象自治体を決めるという。地元産品が少ない自治体もあり、地域の事情に応じた柔軟な判断が欠かせない。

 自治体に競争を促すには一定のルールが必要だ。違反した場合の罰則を設けるのも理解できる。ただ、政府がそれを押しつけるような手法は好ましくない。地方の理解を得ながら、今後も継続して制度の見直しを進めるべきだ。

 過度な返礼品競争を煽(あお)った仲介サイトの存在も無視できない。自治体がそうした業者に丸投げする事例も目立つ。業者に支払う手数料は事務費を含め寄付額の1割に相当するという。ふるさと納税を健全に運営するには、仲介サイトに対する監視も求められよう。

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