PR

【主張】豪雨に備える 弱者の視点で避難行動を

PR

 本格的な梅雨入りを前に、日本列島各地が激しい雨に襲われ、土砂崩れや河川氾濫などの災害リスクが高まっている。

 自分の住む地域の災害リスクを一人一人が改めて確認し、豪雨への備えと早期避難の意識を徹底しなければならない。

 気象庁は20日、東日本と西日本の太平洋側を中心に大雨による土砂災害や低地の浸水、河川の増水に警戒し、落雷や突風にも注意を払うよう呼びかけた。

 5月に入って沖縄県の与那国島、鹿児島県の屋久島が、相次いで「50年に1度」の記録的大雨に襲われた。屋久島では登山客314人が孤立状態に陥った。犠牲者が出なかったことが何よりの救いである。一方で、天気への関心が高い登山者や現地ガイドも天候の急変と猛烈な雨を予測できなかったことは、重く受け止める必要がある。

 気象庁によると、大陸から南に延びる寒冷前線が20日から22日にかけて列島を西から東に横断し、暖かく湿った空気が流れ込む。20日午前には宮崎県日南市で1時間雨量が80ミリを超えるなど九州南部などで猛烈な雨が降った。東日本、北日本も21日は大雨、局地的豪雨の恐れがある。

 200人を超える犠牲者を出した昨年の西日本豪雨をはじめ、近年の豪雨、台風災害を思い起こそう。「数十年に1度」あるいは「過去に経験のないような」と形容される極端な気象が、決して希(まれ)ではなくなっている。気象災害の激甚化は、従来の常識、経験則が通用しない領域に踏み込んだと考えなければならない。

 土砂崩れや河川氾濫など水の猛威から命を守る手立ては、避難しかない。居住地の災害リスクと最新の気象情報を踏まえて「早めの避難」に徹したい。

 過去の災害から「命を守るために何をすべきか」の教訓をくみとったうえで、経験則が通用しない事態にも備える必要がある。

 具体的な方策の一例として、災害弱者の視点で避難行動を始めることを挙げたい。

 高齢者、持病や障害のある人、乳幼児などの弱者を安全に避難させることを優先したうえで、一般の人もそれに続くかたちで早めに避難行動を始めるのである。

 弱者の視点で災害に備え、行動することが、すべての命を守りきることにつながる。

この記事を共有する

おすすめ情報