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【主張】五輪チケット 円滑で公正な販売求める

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 東京五輪は来年7月24日に開会式を迎える。

 大会成功の鍵を握るのは、国内外から参加する選手のパフォーマンスである。そして選手の競技力や素晴らしい演技を引き出すのは、スタンドの興奮である。

 その意味では、観客一人ひとりが大会の浮沈に深く関わっているといえる。できるだけ多くの人に、五輪の現場に直接触れてほしい。昭和39年の東京五輪がそうであったように、その後の人生に寄与する何らかの糧となるはずだ。

 来年の東京五輪で国内在住者向けに販売するチケットの抽選申し込みが、公式販売サイトで始まった。開始直後からアクセスが大量に集中し、ログインできないなど不安定な状態が続いた。

 人気の集中は歓迎したいが、十分に予想できた事態である。トラブルの回避に、準備は万全だったか。猛省を促したい。

 購入希望者は、事前に住所、氏名、電話番号など「ID」登録をしたうえで観戦したい試合や席の種類を選ぶ。受付期間は28日まであり、終日受け付けている。先着順ではなく抽選で決まる。あわてて申し込む必要はない。周知は徹底されていたか。

 また今回の抽選はネット販売に限られる。パソコンなどの通信手段を持たない人は事実上、参加できない。そうした通信弱者対策も含め、来年には対面によるチケット販売所も設けるとされるが、これは公平な措置といえるか。販売所設置の前倒しなどの再考が必要ではないか。

 ネット販売優先は、事前の個人認証により不正転売を防ぐためとの側面もある。過去の五輪でも入場券の高額転売は大きな問題となってきた。

 こうした行為を取り締まるため昨年12月には入場券不正転売禁止法が成立し、来月施行される。フリーマーケットアプリなどを運営する大手各社は五輪チケットの出品を禁止する。

 それでも個人同士の取引などで、あの手この手の不正転売は後を絶つまい。大会の終了まで、国内外に向けた監視の目を緩めることはできない。

 公正・公平・円滑な販売によるチケットで満員に埋まるスタンドの光景こそが、五輪の理想の姿である。がらがらの観客席は見たくない。理想の実現に向けて関係者には不断の努力を求めたい。

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