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【主張】中国権力闘争 政敵の粛清いつまで続く

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中国権力闘争 政敵の粛清いつまで続く

主張更新

 「反腐敗」を理由にした中国高官の粛清は、いつまで続くのだろう。

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 さきに重慶市共産党委員会書記を解任された孫政才氏(53)に対し、党中央規律検査委員会の調査が発表された。「重大な規律違反」といい、失脚は確実となった。

 習近平国家主席が政権2期目を迎える秋の党大会を控え、次期指導部から障害を排除する一環だろう。

 共産党独裁体制の国家では、権力者が力を蓄える手法として多用される。内政問題とはいえ、およそ自由と民主主義の価値観を共有できる相手ではない、との印象を国際社会に与えるものだ。

 習氏は2012年の党総書記就任後、収賄や職権乱用などの規律違反を理由に党内の政敵を相次ぎ失脚させてきた。孫氏の前の書記で、無期懲役の判決を受けた薄煕来氏も、その一人である。

 こうした力による支配は、党内政治にとどまらない。人民解放軍の建軍90年にあたり、習氏は先端装備を並べて閲兵式を行った。習氏の統帥下で進む「強軍」建設の大号令には警戒が必要だ。

 孫氏は党政治局員も兼ね、「ポスト習時代」のリーダー候補とみられてきた。温家宝前首相から抜擢(ばってき)されたが、長老の影響排除を狙う習氏の策略ではないか。

 孫氏と同世代の政治局員には、李克強首相と同じ共産主義青年団(共青団)出身の胡春華・広東省党委書記(54)がいる。政局の流れを見極めるため、胡氏の動静も注視したい。

 対立派閥を排除する一方で、自らに近い幹部の登用は、極めて露骨に進めている。

 新たな重慶市党委書記となった陳敏爾氏をはじめ、蔡奇・北京市党委書記、応勇・上海市長らは、いずれも習氏の腹心である。

 習氏に最も近い栗戦書・党中央弁公庁主任をめぐり、親族の不正蓄財疑惑が香港紙で報じられた。だが、翌日には撤回された。北京の圧力がなければ起こりえない不自然さが目立った。

 逆に習氏の「反腐敗」運動を担った王岐山・党中央規律検査委書記に至っては、勇退年限とされる68歳を度外視して、次期指導部に留任する可能性すら取り沙汰されている。

 独裁強化に向け、現役指導部と長老らが党人事などをめぐり開く「北戴河会議」も、国際社会は注目していく必要がある。