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【主張】北のミサイル 抑止に資する制裁強化を

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北のミサイル 抑止に資する制裁強化を

主張更新

 先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の成果が早速、試される。

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 北朝鮮が29日早朝、またもや弾道ミサイルを発射し、島根県・隠岐諸島から約300キロの日本の排他的経済水域(EEZ)内に着弾した。

 北朝鮮の核・ミサイル問題を「新たな段階の脅威」と宣言したG7の議論は、安倍晋三首相がトランプ米大統領とともに主導した。

 それが日本のEEZへ撃ち込んできた理由とも受け取れる。米国が3隻目の空母を西太平洋に増派したのも圧力となっていよう。

 国連安全保障理事会の決議が禁じている北朝鮮の弾道ミサイル発射は、どんな理由をつけても正当化されない。挑発を阻止する実効性ある手立てを、G7として早急に講じることが求められる。

 弾道ミサイルの発射は今年9回目であり、日本のEEZ内へのものは今年3月以来で4回目だ。

 首相は北朝鮮を非難し、「抑止するため、米国とともに具体的な行動をとる」と表明した。

 北朝鮮の核・ミサイル戦力は、国民の安全を脅かしている。その脅威を取り除くのに有効な制裁に踏み切るのは当然である。

 核・ミサイル戦力の保有や強化を断念させるには、金融制裁と石油禁輸が効果的とされる。

 北朝鮮と取引する第三国の金融機関や企業に対し、日米などが取引停止や資産凍結を科す「二次的制裁」を早急に実施すべきだ。

 それにより、北朝鮮を延命させている、中国の金融機関や企業の対北取引を押さえ込むことが欠かせない。

 石油禁輸は中国が制裁に本腰を入れなければできない。今年1~4月の中国の北朝鮮向け輸出は、前年同期比で31・7%増えた。石油製品の輸出拡大とみられる。

 北朝鮮の暴走をやめさせることにつながる制裁となるよう、政府は中国に改めて促すべきだ。

 日本の独自制裁も強化の余地は大きい。自民党は既に、北朝鮮へ渡航する朝鮮総連幹部の再入国禁止対象の再拡大を提言しているが、政府は実施していない。追加措置を考えるべきではないか。

 安保理での新たな制裁に向けた作業も必要だが、それでは不十分だ。制裁強化に消極的な中国、ロシアがいるためだ。

 首相の言葉通り、日米両国がリードする形で、他のG7各国や友好国との連携を急ぐときだ。