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【主張】大飯原発合格 有識者リスクも見逃せぬ

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大飯原発合格 有識者リスクも見逃せぬ

主張更新

 関西電力の大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の安全対策が原発の新規制基準を満たしている、と原子力規制委員会に認められた。

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 今秋以降の再稼働に向けて関門を通過した。

 両基は加圧水型だ。同社の高浜原発4号機は今月、再稼働し、6月上旬には3号機も続く。順調な足取りである。

 関電管内の電気料金は3・11後、火力発電の拡大による燃料代の膨張で2度にわたって値上げされている。原発の復活による値下げへの転換を急いでほしい。

 関電の原発は、美浜原発3号機が昨年秋に「40年超」の運転延長を認められており、規制委に申請した3発電所・7基の全合格という好成績である。

 原発の安全性向上と、安価で安定した電力の供給に向けて努力を続けた関電の姿勢は、評価に値する。収支改善を通じて、原発のさらなる安全強化への予算割り増しも望めよう。

 それにしても原発の復活は、顕著な西高東低だ。これまでに規制委に安全審査を申請して合格したのは26基中12基で、いずれも近畿以西の加圧水型原発だ。

 東日本を中心に10基申請されている沸騰水型の合格はゼロのままだ。事故を起こした東京電力福島第1原発が沸騰水型であったとはいえ、地域経済の格差にもつながるアンバランスぶりである。

 沸騰水型の中では、東電の柏崎刈羽原発の安全審査が比較的進んでいるが、新潟県の米山隆一知事は原発に慎重な姿勢を示しており、再稼働の同意を得る上での大きなネックとなっている。

 西日本では地方裁判所に原発の運転差し止めを求める仮処分申請が多発し、高浜3、4号機では認められた経緯がある。「司法リスク」も電力安定供給を妨げる要因であることを再認識したい。

 東西共通の事象も存在する。法的根拠も不明確なまま、規制委の島崎邦彦委員(当時)とともに、大飯をはじめとする原発敷地内の活断層調査に当たった外部専門家による有識者会合の審議だ。

 一方的に「ないことの証明」を求めた手法は「有識者リスク」と言えよう。大飯原発の審査でもあった。東日本の原発の安全審査の遅れに影響していないのか、検証が必要だ。

 原発の将来を左右する「3大リスク」の存在を直視したい。