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【産経抄】毛沢東は田中角栄に「日本は選挙があって大変ですね」と語った…投票所に行ける国の幸せ 6月22日

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毛沢東は田中角栄に「日本は選挙があって大変ですね」と語った…投票所に行ける国の幸せ 6月22日

産経抄更新

 1972年9月、日中国交正常化のために訪中していた田中角栄首相の一行はある夜、毛沢東主席の家に案内される。「(周恩来首相との)喧嘩(けんか)は済みましたか」。会見は、毛主席が日中首脳会談を「喧嘩」に例える有名な言葉で始まった。

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 ▼2人の間で、こんなやりとりもあった。毛「日本には選挙があって大変ですね」田中「25年間に11回選挙をしました。街頭演説もやらなければなりません」(『田中角栄と毛沢東』青木直人著)。

 ▼確かに共産党一党独裁の下、指導者は選挙の結果や世論調査の動向に一喜一憂する必要はない。そんな中国で広東省の烏坎(うかん)村は、「普通選挙の村」として有名である。かつてこの村では、幹部による公有地の不正売却が発覚し、暴動が起きた。地元当局は4年前、特例として村民の直接投票による村長選挙を認めた。選ばれたのが林祖恋氏である。

 ▼もっとも「烏坎に続け」と各地で住民が立ち上がると、ことごとく鎮圧された。烏坎村でもまだ土地問題は解決していない。林氏が当局に抗議する村民集会を計画したところ、治安当局に連行されてしまった。現地では、反発する村民と当局の対立が続いているようだ。

 ▼「一国二制度」の下で高度な自治が保障されているはずの香港に対しても、習近平政権は、圧力を強めている。来年の香港行政長官選挙について、2014年に中国政府が打ち出したのは、民主派を事実上排除する、名ばかりの「普通選挙」だった。これが、「雨傘運動」と呼ばれた街頭占拠デモの発端である。

 ▼第24回参院選が今日、公示される。18歳と19歳が有権者となる、初めての国政選挙である。世界を見渡せば、投票に行きたくても行けない若者がいる。まずそれを肝に銘じてほしい。