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【主張】3・11を前に 「揺れたら避難」の実践を

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 東日本大震災から10年になる。

 2月13日夜、平成23年の「3・11」の記憶を呼び起こすような福島県沖地震が発生した。

 規模はマグニチュード(M)7・3、最大震度6強。気象庁によると、東日本大震災を起こした巨大地震(M9・0)の余震とみられる。

 福島、宮城両県の沿岸地域の人たちは、激しい揺れから身を守りながら、津波を警戒した。

 地震発生の数分後、「若干の海面変動はあっても、被害の心配はない」との情報がテレビなどで伝えられた。この情報を待たずに避難した住民もいる。津波警報や注意報、自治体からの避難指示は出なくても、住民は避難を最優先に考え、備えたはずだ。

 震源が深くプレート内部で起きた地震であったため、被害を伴うほどの津波は発生しなかった。

 しかし、住民がとった避難行動や避難準備は決して「空振り」ではない。海域を震源とする強い地震では、常に津波を想定し避難に徹することが大事だ。

 東日本大震災では、1万8千人を超える命が大津波に奪い去られた。高い避難意識を持ち続け、あらゆる機会に避難行動を実践することが、大震災の記憶と教訓を更新し、10年後、100年後に継承する確かな一歩になる。

 鎮魂の日である3月11日を迎える前に、津波の恐ろしさと避難の大切さを改めて心に刻み、命を守り抜く覚悟を新たにしたい。

 大震災の記憶と教訓を風化させず次世代に繋(つな)ぐことは、被災地の人たちだけでなく生き残ったすべての者の責務である。

 避難の大切さは理解しているつもりでも、実際の避難行動に繋げるのは決して容易ではない。

 たとえば、平成28年11月の福島県沖地震(M7・4、最大震度5弱)では、福島、宮城県沿岸には津波警報が発令された。ただちに避難した住民もいたが、避難を見合わせた住民も多かった。

 東日本大震災や今年2月の福島県沖ほど激しい揺れではなかったことが、避難を見合わせた要因かもしれない。津波の規模は、揺れの強さには比例しないことを再確認しておくべきだろう。

 大規模な堤防が築かれても、沿岸地域がかさ上げされても、避難の大切さは変わらない。津波から命を守る手立ては「揺れたら逃げる」を実行する以外にはない。

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