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孔子廟判決 原告「政教分離わきまえ対応を」 撤去求める訴訟も

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 那覇市の松山公園にある孔子廟=19日
 那覇市の松山公園にある孔子廟=19日

 「孔子廟(びょう)」の敷地を那覇市が無償提供したのは違憲とする最高裁判決を受け、原告側は24日、会見で「歴史に残る完全勝訴」などと喜びの声を上げた。原告側は孔子廟の撤去などを求める別の訴訟も那覇地裁に起こしており、今後の市側の対応も注目される。

 「長い長い裁判の末、勝訴の結果が出て、感激の涙がこぼれた」。那覇市内で会見した原告の金城照子さん(92)は、提訴から7年近くに及んだ裁判を振り返って喜んだ。市に対しては「昔からのなれ合いで(違法状態が)続いているのではないか。今後は政教分離の原則をわきまえ、対応してほしい」などと述べた。

 また、東京都内で会見した原告側代理人の徳永信一弁護士は「孔子廟は明の時代に琉球(沖縄)に渡来した子孫らが守り続けてきたもので、沖縄で一般的に知られていたものではない」と指摘。「沖縄の伝統として広めるのは無理がある」と述べた。

 一方、湯島聖堂など全国に点在する他の孔子廟については「儒教施設として、公共性を持ちながら社会に受け入れられている」とし、今回の判決が影響することはないと強調した。

 ■他施設への影響限定的

 国内には湯島聖堂(東京都文京区)や足利学校(栃木県足利市)など著名な孔子廟が複数ある。しかし、大法廷は、那覇市の孔子廟を個別に検討した末に違憲判断を導いており、今回の判決の影響は限定的とみられる。

 那覇市側は訴訟で、他の孔子廟では政教分離が問題になっていないと訴えていた。これに対し大法廷は、施設に宗教的性格があっても、同時に歴史的・文化財的な建造物として保護の対象であったり、観光資源や国際親善などの意義があったりすれば、「公有地の使用料が免除される場合もあり得る」と指摘した。

 実際に湯島聖堂や足利学校でも那覇の孔子廟と同様の祭礼が行われるが、いずれも国の史跡として知られる。大法廷は、文化的価値や社会的意義は「一般人から見た評価に影響する」とし、宗教的施設の全てが問題になるとはかぎらないとの考えを示唆した。

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