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「ドローン飛ばし被害調査」北部地震2年 不審電話いまも

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 大阪北部地震は18日で発生から丸2年となったが、被災地周辺では地震の被害に関連した便乗商法や消費者トラブルの相談が今も絶えない。被災者の状況に応じて内容は変化し、最近は「ドローンを飛ばして災害実態を調査する」との不審電話がかかってきたり、「保険金で修理しないか」と勧誘されたりしたという相談が目立つ。高額の手数料を請求されるケースもあり、消費生活センターなどが注意を呼び掛けている。(野々山暢)

高槻や京都でも

 「市役所から委託され、ドローンを飛ばして地震や台風による屋根の被害を調査します。修繕が必要であれば火災保険が適用されます」

 大阪府高槻市内の女性宅に今年5月下旬、不審な電話がかかってきた。電話の相手は「1時間後にドローンを飛ばす日時を決めることになっている」とせかしたが、女性はすでに修理を終えていたため、断った。

大阪北部地震で屋根瓦が落ちた住宅=平成30年6月18日午後、大阪府高槻市(本社ヘリから、恵守乾撮影) 
大阪北部地震で屋根瓦が落ちた住宅=平成30年6月18日午後、大阪府高槻市(本社ヘリから、恵守乾撮影) 
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 大阪北部地震で最も建物被害が出た高槻市。市が平成30年11月にまとめた最終報告によると、住家などの被害として全壊11件、大規模半壊2件、半壊237件、一部損壊2万797件だった。今年5月中に市消費生活センターに寄せられた災害関連の消費者トラブルの相談は3件。同市内は30年9月の台風被害が重なったこともあり、センターの担当者は「地震発生後から定期的に相談が寄せられている」と話す。

 大阪府に隣接する京都府八幡市でも「2年前の地震による損害を申告すれば保険がおりるので修理しないか」と勧誘を受けたとの相談が5月中に6件あり、中には30~40%の手数料を要求されるケースもあった。同様の勧誘は1月にも確認されている。

大規模災害で目立つ

 大阪府警によると、高槻市だけでなく、各地で「ドローンを飛ばして被害を調査する」といった不審な電話が4月を中心に多発し、中には「お礼に商品券とマスクを差し上げます」と勧誘するものも。金をだまし取る目的の可能性もあり、府警は4月だけで住民向けの防犯メール「安(あん)まちメール」を約30件配信し、注意喚起した。

 過去の大規模な被害が出た地震でも、こうした相談は長期間にわたって寄せられた。

 国民生活センターによると、東日本大震災では、発生した平成23年度に約2万5千件あり、その後は減少するものの、26年度でも1405件あった。28年4月の熊本地震では発生から1年半で計約4500件の相談があり、1年半を迎える最後の1カ月間でも56件あった。

今後も警戒を

 相談内容は、被災者の状況に応じて変化する。高槻市消費生活センターによると、発生当初は「ブルーシートをかけてもらったが高額な値段を請求された」「修理が雑」といった内容が目立ったが、時間がたつにつれて、保険の代理請求を持ちかけられたとの相談に変わっていった。

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 北部地震から3年目に入るが、保険法では保険を請求する権利の時効は3年と定めており、今後は時効を理由に相手をせかせて、不都合な契約を迫る手口も予想される。国民生活センターでは、トラブルを避けるため、契約内容を周囲とも相談しながら十分に確認したり、複数の事業者から見積もりをとったりするといった対策が有効としている。

大阪北部地震 平成30年6月18日午前7時58分ごろ発生。大阪府北部が震源で規模はマグニチュード(M)6・1。同府高槻市や大阪市北区などで最大震度6弱を観測した。死者は関連死を含め、大阪府の6人。このうち高槻市立小4年の女児は倒れたブロック塀の下敷きになった。住宅被害は滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良の5府県で計6万1千棟を超えた。多くの通勤・帰宅困難者が出たほか水道やガスの供給が広範囲で停止、エレベーターに利用者が閉じ込められる事例も相次いだ。

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