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屋根も車庫も神輿まで「支援あまりにも遅い」 台風被害の千葉・館山布良地区

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倒壊した布良崎神社のみこし倉=13日、千葉県館山市(白杉有紗撮影)
倒壊した布良崎神社のみこし倉=13日、千葉県館山市(白杉有紗撮影)

 台風15号の影響で、いまだに多くの家庭で停電が続く千葉県南部の館山市。大規模停電の発生から5日目を迎えたが、復旧の見通しは見えず、市民らは不安な日々を送っている。「特に被害が大きい」(市職員)とされる布良(めら)地区では屋根を吹き飛ばされたままの家屋など、建物への台風の爪痕が生々しく残されていた。(白杉有紗、写真も)

 同地区はかつてマグロのはえ縄漁業などで栄えた海沿いの集落。市中心部から車で約30分の場所にあり、多くの家屋は台風による強風で屋根が吹き飛ばされ、雨漏りが発生していた。

 高齢者が多い地区で、市から配給されたブルーシートや土嚢(どのう)を使って屋根の補修を自分で行えない家も多く、修理のできる職人も人手不足が続いている。

 同地区に50年以上住んでいるという男性(81)は「こんなにひどい災害は100年に1度。今ほしいものは屋根をすっぽりと覆える大きさのブルーシート。これから雨が降るという予報もあるので不安だ」と話した。停電も続いており、冷凍庫の中身は溶けて異臭を放ち、部屋に充満しているという。

 近所の人と炊き出しを待っていた主婦(68)も「車庫がつぶれてしまい車も出せない。見ると悲しくなる」と声を震わせた。

 近くにある布良崎神社のみこし倉は柱が折れ、中のみこし2台が下敷きになり、ご神木も根本からなぎ倒されていた。神社の責任役員を務める嶌田(しまだ)博信さん(85)は、「本堂も台風で傾いてしまった。全てを再建するには5億円かかるといわれた」と肩を落とした。

 近くで釣り船屋を営んでいるという60代の女性は「携帯電話が通じないので仕事もできない。避難所に行きたくても遠くて行くことができず、こんな状況が1週間も続いたら具合が悪くなる」と体調の不安を訴えた。

 道端には、強風で飛ばされた屋根の一部や割れたガラスががれきとしてまとめられ、山のように集められていた。防災行政無線も聞こえず完全に孤立しているといい、住民の一人は「電気の復旧や物資の支援があまりにも遅すぎる。市は何をしているのか」と悲痛な叫び声を上げた。

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