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関空の台風被災1年 全国の空港で防災強化、電源整備

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護岸の改修工事が進む関西空港。上部の色の違うコンクリート部分がかさ上げされた(前川純一郎撮影)
護岸の改修工事が進む関西空港。上部の色の違うコンクリート部分がかさ上げされた(前川純一郎撮影)

 昨年9月4日の台風21号による関西国際空港の被害、同6日に発生した北海道地震による新千歳空港の機能停止をきっかけに、国土交通省は今年、全国の空港防災の抜本的な見直しに乗り出した。これを受けて、各空港は事業継続計画(BCP)を再構築。同省の担当者は「あらゆる災害に対応できる体制を整え、空港ネットワークを守らなければならない」と語る。

 根幹となるのは、同省が今年4月に取りまとめた防災指針「災害多発時代に備えよ!!」。対象は関空、大阪(伊丹)のほか成田、羽田、中部国際など全国の主要16空港だ。関空と新千歳が停電したことを重大視し、「災害時にも供給可能な発電設備などの整備、(地下から地上などへの)移設」を求めた。

 とりわけ関空が、連絡橋の破壊という想定外の事態でアクセスを遮断された事実は、他山の石と位置付けられた。指針では「多様なリスクの発生にも状況に応じて対応する」ことを明記し、停電や滑走路閉鎖など機能喪失ごとの対応の検討が必要だとした。

 その後、各空港は、指針に沿った内容でBCPを見直した。全国一の旅客数の羽田空港は、京浜運河や多摩川沿いの護岸を強化するとともに、電気設備を守るための止水板や水密扉、移動式の発電機などを備えた。

 関空と同じ海上空港の中部空港は「震度7の地震で連絡橋の鉄道と道路が利用できない」との想定で5月、空港島の外に船舶で利用客を逃がす訓練を初めて行い、航空会社や自治体を含む約30機関から約120人が参加した。

 中部国際空港会社の竹尾公一・空港運用部担当課長は「関係機関との連携は、これまでは主に航空機事故を想定していたが、自然災害でも必要なことを関空の惨状から学んだ」と話す。

 そもそも関空は軟弱地盤で地盤沈下の度合いが大きいという特殊な地理的条件から、他の空港よりも浸水リスクが高い。昨年の台風被害で従業員らはリスクを痛感したが、今後、こうした防災意識をいかに持続させるかといったソフト面の対策も課題となっている。

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