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紀伊半島豪雨の警戒区域指定、来年度完了へ 和歌山県

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 和歌山、奈良、三重の3県で88人の死者・行方不明者が出た平成23年9月の紀伊半島豪雨から8年。和歌山県内では「土砂災害警戒区域」の指定が進み、今年度内には土砂災害危険箇所の現地調査を終えて、来年度中には警戒区域の指定が完了する見込みだ。ただ、避難場所確保や危険性周知などには依然、課題も残る。

 土砂災害警戒区域は、土砂災害防止法に基づいて都道府県が指定する。指定に向けては、県が地質などの現地調査をし、市町村の意見も聞く。市町村には避難場所などを盛り込んだ地域防災計画の策定が義務付けられる。

 和歌山県は平成16年、警戒区域の指定作業に着手。紀伊半島豪雨直前の23年8月時点では、指定数は12市町村の計1306カ所にとどまっていたが、豪雨以降は指定を加速。25年度末には5553件まで増えた。

 さらに、近年の災害激甚化で現地調査費も増やし、今年8月末時点で1万9713カ所の調査を完了。すでに1万7219カ所を警戒区域に指定した。来年度中には指定が完了する見込みで、県砂防課の担当者は「警戒区域指定の取り組みは一定の区切りを迎えた」とする。

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 ただ警戒区域指定は、あくまで危険性を明らかにするもので、実際に減災に生かすには、住民への周知や具体的な対策などが不可欠となる。

 山間部の多い同県日高川町の場合、大半が警戒区域に指定されている集落もある。町の担当者は「どの道を使い、どの場所に避難するかを周知し、避難行動につなげてもらうのが肝心」と話す。

 町内では今年3月、自主防災組織の連絡会を立ち上げ、避難方法や住民への周知などについて情報交換しているが、避難所に指定された集会所が警戒区域にあったり、構造が脆弱(ぜいじゃく)で自宅内に待機する方が安全だったりするなど、さまざまな課題も浮上している。

 県の担当者は「砂防ダムの整備や法面(のりめん)の補強といったハード対策も並行し、安全な場所を確保するとともに、避難方法を地域ごとに確立する必要がある」としている。

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