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【西日本豪雨1年】真備町の竹炭組合、危機乗り越え奮闘

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マービー釜で竹炭の生産に取り組む垣本嘉弘さん(左)=6月21日、岡山県倉敷市真備町(鈴木俊輔撮影)
マービー釜で竹炭の生産に取り組む垣本嘉弘さん(左)=6月21日、岡山県倉敷市真備町(鈴木俊輔撮影)

 西日本豪雨で被災した岡山県倉敷市真備町(まびちょう)で、特産の竹を使った炭や関連商品を開発する「真備町竹炭生産販売組合」が奮闘している。組合員が被災し、一時は存続の危機に直面したが、新たな仲間も加わり生産を再開。「楽しみながら前を向いて頑張りたい」。被災した組合員も戻り、復興に向け汗を流している。(鈴木俊輔)

 同町箭田(やた)の竹林にある「マービー窯」。同組合の組合員が年に数回、ここで三日三晩かけて竹炭を焼き上げている。間伐後、切りそろえて乾燥させた竹3トンを一度に焼くと、300~400キロの炭を作ることができる。

 同町の特産はタケノコ。竹を活用しようと平成11年、組合を結成した。竹炭はもちろん、炭を焼くときに出る「竹酢液(ちくさくえき)」も地元の「たけのこ茶屋」などで販売する。消臭や消毒に効果があるとして、観光客らに人気が高い。

 昨年7月の西日本豪雨では、高台にある窯は無事だったが、町内に住む組合員の多くの自宅が被害にあった。約20人いた組合員も一時は2人にまで減少し、竹炭生産も休止状態に。たけのこ茶屋へ商品を卸すこともできなくなった。

 副組合長の垣本嘉弘さん(77)は自宅が水につかり、避難所や民宿、親類の家を転々とした。その間、自宅の片付けなどで真備町に戻ってきていたが、「自分のことで精いっぱい」で窯を訪れることはできなかった。

 垣本さんが窯に戻ったのは、同町の仮設住宅に入居した昨年11月。組合の窮状を知った新たなメンバーが町外から加わり、炭焼きを再開していた。垣本さんも「ここに来てみんなで仕事をすれば、気も紛れる」と再び窯に通い始めた。

 豪雨から1年近くがたち、組合も被災前のように活気を取り戻しつつある。炊飯用や冷蔵庫の消臭用の竹炭といった新商品の販売を始めたほか、被災した住宅の再建時に除湿や消臭のために竹炭を床下に敷く家もあり、新たな注文も増えている。6月中旬にも窯の火入れを終えたばかりで、精力的に製品作りが進む。

 「起きてしまったものはしようがない。でも前を向いてやらんとな」と垣本さん。復興に向けた奮闘が続いている。

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