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資産尋ねる「アポ電」、都内で急増 巧妙・凶悪化

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 東京都江東区のマンションで加藤邦子さん(80)が殺害された強盗殺人事件で、事件前に加藤さん方にかかってきたとされる「アポ電(アポイントメント電話)」は近年、東京都内で急増している。平成30年の通報件数は3万件を超え、2年前の2倍以上になった。従来は特殊詐欺グループが標的を物色する際に現金の保有状況を探るために用いてきたが、今年に入り、より凶悪な強盗事件にも応用されるケースが続出。警察当局は被害の拡大を懸念、警戒を強めている。

 捜査関係者によると、アポ電は、子供や孫などの親族を装って雑談する中で、資産や家族構成などの個人情報を聞き出すのが特徴。最近では報道機関の世論調査を装ったり、品物を送ることを口実にするケースも確認されており、手口の巧妙化が進んでいる。

 「患者の治療に失敗し、お金が必要になった。家に現金があるか」。渋谷区笹塚の高齢男性宅には1月30日、歯科医の息子をかたる男からこんな電話があった。

 質問に答えた男性と妻の自宅は2月1日朝、3人組の男に押し入られた。男らは夫婦の両手を結束バンドで縛るなどして現金約400万円を強奪して逃走。インターホン越しに警察官を名乗り、妻が玄関を開けたところ、室内に押し入ってきたという。

 1月11日に同区初台で現金約2千万円が奪われた緊縛強盗事件でも、2日前に息子をかたる男から「病気になってお金が必要になった」という「アポ電」が確認されている。

 警視庁によると、「アポ電」など資産状況を尋ねる不審電話の届け出は、平成28年の1万5010件から、29年には2万5911件に増加。昨年は過去最多の3万4658件に達した。今年に入っても増加傾向は続いており、1月には前年同期を159件上回る2519件に上っている。

 捜査幹部は「自宅にある現金を聞き出す電話は犯罪の前兆。決して現金の有無について答えたりせずに、速やかに警察に通報してほしい」と呼びかけている。

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