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【森友文書】麻生太郎財務相「理財局の一部の職員」と強調 「最強官庁」揺るがす前代未聞の不祥事

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大臣室へ入る麻生太郎副総理兼財務相=12日午前、東京都千代田区の財務省(納冨康撮影)
大臣室へ入る麻生太郎副総理兼財務相=12日午前、東京都千代田区の財務省(納冨康撮影)

 学校法人「森友学園」(大阪市)との国有地取引をめぐる決裁文書の書き換え問題で、説明を拒み続けてきた財務省が12日、ようやく国会に対し、事実関係を認めた。民主主義の根幹を揺るがす背信行為だが、誰の指示で、いつ、どのように行われたのかは依然明らかになっていない。「最強官庁」とされてきた財務省には激震が走り、国会周辺は緊張感に包まれた。

 「理財局の一部の職員によって行われた」。財務省が決裁文書の書き換えを認めたことを受け、12日午後、報道陣の取材に応じた麻生太郎財務相は、同省の組織的関与はないことを繰り返し強調した。いらだちを見せる一幕もあり、自身の進退については「考えていない」と一蹴した。

 海外メディアを含む大勢の報道陣で埋め尽くされた東京・霞が関の財務省1階エレベーターホール。午後2時すぎに麻生氏がエレベーター内から姿を現すと、おびただしい数のカメラのフラッシュがたかれた。

 冒頭、麻生氏は手元のペーパーに目を落とし、「本省理財局において、森友事案に関する計14件の決裁文書の書き換えが行われていたことが明らかになっている」と同省の調査結果を読み上げ、「私としても深くおわび申し上げる」と陳謝した。

 その後、報道陣から省として組織的に書き換えを行った可能性を問われると「理財局の一部の職員」による行為とした上で、「一部の者によって省全体の信頼が失われたのは、はなはだ残念」と述べた。

 書き換えの背景については、当時、理財局長として国会答弁に立っていた佐川宣寿前国税庁長官の回答内容と、決裁文書の内容との間に齟齬が出ないようにしたためと説明。「誤解を受けないようにするために行われたというのが背景」と語った。

 また、書き換えの最終決裁者は「理財局の長」と佐川氏を挙げる一方、当初に書き換えの判断をしたのは「佐川の前の段階だと思う」とし、自身や事務次官らには事実が伝えられていなかったと弁明した。

 疑惑が浮上してから事実を認めるまでに10日間を要したことで、同省による隠蔽が行われた可能性を指摘する声もある。これに対し麻生氏は、大阪地検に対して書き換え前の原本の写しの提供を要請する前に、省内での調査が必要だったとの認識を示し、最後に「隠蔽はなかったということか」と改めて問われると、いらだった様子で「当然です」と答え、足早に去っていった。

 “最強官庁”と称される同省での前代未聞の不祥事に、省内からは不安や不満の声も漏れた。ある中堅職員は「ここまで深刻な状況になるとは。処分がどこまで拡大するか不安だ」と懸念。別の同省関係者は「対応が後手後手に回った」と担当課の対応に疑問を呈した。

国会、緊迫ムード

 「これは『書き換え』でなく意図的な『改竄(かいざん)』だ」。森友学園との国有地売却をめぐる決裁文書の書き換えを財務省が認めたことを受け、12日午後に国会内で行われた野党6党による合同ヒアリングでは、説明を行った財務省の富山一成理財局次長に対し、野党議員から厳しい声が上がった。

 この日の国会は、政府関係者が緊迫した表情で出入りするなど張り詰めた空気に包まれた。「どうやら書き換えがあったと報告があった」。自民幹部は疲れた様子でこう話した。

 その後に開かれた参院予算委員会理事会の終了後には、民進の川合孝典議員が「(書き換え前の文書が)調査結果として出てきた」と成果を強調。一方で自民の石井準一議員は「引き続き調査中」と話し、与党の守勢を印象づける一幕もあった。

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