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【森友文書】政治家におびえる…民主党政権に始まった「政治主導」の負の遺産が今も 佐藤優氏

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作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏(大西史朗撮影)
作家・元外務省主任分析官の佐藤優氏(大西史朗撮影)

 今回の問題は前代未聞で3つの異常なことが起きた。1つは官僚は公文書を改竄しないという前提が崩れたこと。2つ目は国会で「事実を明らかにしろ」といわれたのにしなかったこと。3つ目はそれを知りながら嘘をついたことだ。

 大阪地検特捜部が今回、しっかり捜査しているのは、押収した証拠のフロッピーディスクのデータを検事が改竄する事件があったからだろう。証拠物の改竄が組織存亡の危機につながると分かっているのだ。検察も「これでは守れない。自分たちに火の粉が降ってくる」と思ったのだろう。「なあなあ」で済むと思った財務省の思惑は外れた。

 財務省の官僚には慢心よりも官邸への恐怖があったのだと思う。安倍政権になって内閣官房に内閣人事局ができ、経済産業省の力が強くなる一方、政策決定の予算をつかさどり、「官庁の中の官庁」といわれた財務省の時代は終わった。

 政治家におびえ、その場しのぎの場当たり的な発想になっている。背景にあるのは、民主党(現民進党)政権時代に始まった政治主導だ。その負の遺産が今も拡大し続けている。麻生太郎財務相ほどのベテラン政治家が、こういう事態を想定できなかったくらい財務官僚が弱体化している。そのことが一番の問題だ。

 野党は今回の問題を政争の具に使うべきではない。国政調査権で超党派の第三者委員会をつくり、真相究明を先行させることが重要だ。政権が変わっても官僚の体質は変わらない。仮に北朝鮮におもねる政権になって、外務省などが政権におびえ、北朝鮮におもねったらどうなるのか。今一度、政官の関係をチェックしなければいけない。(談)

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