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【オウム裁判終結】「全部終わったんだな」遺族ら万感

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オウム裁判終結

「全部終わったんだな」遺族ら万感

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19日、東京・霞ケ関で、地下鉄サリン事件などに関与した高橋克也被告の上告が棄却され、記者会見する遺族の高橋シズヱさん(右)=酒巻俊介撮影 1/3枚

 平成7年春、山梨県の旧上九一色村にあったオウム真理教教団施設に強制捜査が入り、元教祖、麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚(62)が逮捕された。あれから23年。地下鉄サリン事件をはじめ、社会を震撼(しんかん)させた一連の事件の裁判は終結の日を迎えた。焦点は13人の確定死刑囚の刑執行に移る。「ああ、全部終わったんだ」。遺族らは、万感を込めて事件への思いを語った。

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 「これだけ多くの事件があった。オウム真理教の恐ろしさを改めて感じる」。オウム真理教による一連の事件の刑事裁判が終結したことを受け、「地下鉄サリン事件被害者の会」代表世話人の高橋シズヱさん(70)が19日、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。

 この日、オウム真理教犯罪被害者支援機構の中村裕二弁護士から電話で高橋克也被告(59)の上告棄却の連絡を受けた高橋さん。会見で感想を求められると「『ああ、全部終わったんだ』という思いを心に刻んでいる」と話した。

 事件当時に比べ、老いを感じることもある。「長くかかる裁判だった。それだけ事件を起こした教団の恐ろしさを改めて感じる」。さらに「なぜ判決が確定しながら執行されないのかという思いもあった。これから死刑囚への執行が現実味を帯びてくる。麻原死刑囚に関しては早く執行してほしい」と語った。

 心残りもある。最高裁の決定は公判が開かれず、高橋さんと高橋被告が対面することはなかった。高橋被告は1審で、遺族に対する思いを問われると「すみません、自分で深いことまで考えることが必要だ」と述べていた。「あれから2年以上。どういうふうに考えたか知りたかった」と高橋さん。「被告に会う最後の機会として、最高裁は参加人の立場を確保してほしかった」と話した。

 一方、事件で重傷を負った元都職員の内海正彰さんは「事件に関与した人々の痛み、悲しみをどう後世に伝えるかが今後の課題と感じる」とコメント。オウム真理教から分派した「ひかりの輪」の上祐史浩代表は「被害者の方々のことを胸に刻み、二度と同様の事件が起きないよう、今も麻原への信仰を続けるアレフの活動の抑止などに努めたい」との談話を出した。

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  • 1995年3月、地下鉄サリン事件で、地下鉄日比谷線「築地駅」前の路上で手当てを受ける被害者