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消防庁、消防飛行艇導入を検討 海自の「US2」改造機を想定

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消防庁、消防飛行艇導入を検討 海自の「US2」改造機を想定

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海上自衛隊の救難飛行艇「US2」=平成25年、神戸市東灘区 1/1枚

 近い将来に起こるとされる南海トラフ巨大地震など大規模災害時の消火活動を想定し、総務省消防庁が消防飛行艇の導入を検討していることが15日、分かった。ヘリコプターの数倍の輸送能力を持つ飛行艇で、空からの消火活動を支援するのが狙い。海上自衛隊の救難飛行艇「US2」の改造機の導入を想定し、費用面や消火効率などの調査をさらに進め、導入の可否を判断するとみられる。

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 同庁では少なくとも数年前から、US2を消防飛行艇に改造した場合の効果などについて内部で研究を進めてきた。同庁などによると、山火事などで空からの散水が必要な場合、現在は主に都道府県の消防防災ヘリが出動している。運べる水の量は最大2トン程度だが、飛行艇を導入すれば「ヘリの7倍以上、最大で約15トンの水が運べる」(同庁担当者)という。海や湖から大量に取水できる上に高速移動も可能で、米カリフォルニア州で昨年発生した山林火災では被災者の避難にも用いられた。

 ただ、飛行艇は現場でヘリとの衝突を回避するため、高い高度を飛行する必要があり、同庁内に散水による消火効果を疑問視する声がある。また、1機当たり100億円超とみられ、コスト面の課題も大きい。

 昨年12月の参院総務委員会で消防飛行艇導入の可能性を問われた野田聖子総務相は、「現場に地上から接近できない場合に優位性がある。消防庁で幅広く研究や検討を重ねている」と答弁していた。

 都市防災に詳しい東大生産技術研究所の加藤孝明准教授(地域安全システム学)は「消防飛行艇を導入すれば広範囲に大量の散水が可能だ。延焼の拡大防止などに大きな役割を果たすだろう」と指摘している。