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「日本にいたい」日本で出生のタイ人高校生、強制退去処分覆らず 東京高裁

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「日本にいたい」日本で出生のタイ人高校生、強制退去処分覆らず 東京高裁

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 日本で不法滞在するなどしていたタイ人の父母から出生し、強制退去処分を受けた甲府市の県立高校2年、ウォン・ウティナン君(16)が国に処分の取り消しを求めた訴訟の控訴審判決が6日、東京高裁であった。小林昭彦裁判長は「強制退去処分は適法だった」とした1審東京地裁判決を支持、ウティナン君の控訴を棄却した。ウティナン君側は上告するかを今後検討するとしている。

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 判決などによると、日本に不法滞在中の母親から出生したウティナン君は日本の学校に通わず、タイ人コミュニティー内で生活。日本語、タイ語能力とも不十分だった。12歳で支援団体の協力で日本語を学び公立中学に編入。母とウティナン君は特別在留許可を求めて25年に入国管理局に出頭したが、26年8月に強制退去処分を受けた。処分を不当として東京地裁に提訴したが、今年6月に請求が棄却され、母は9月にタイに帰国。ウティナン君は控訴していた。

 不法滞在中の外国人に在留許可を与えるかについて、国は「日本人と婚姻関係にある」「日本に深く定着している」「自ら入管に出頭した」などをプラス要素、「犯罪歴」「密航や偽造旅券などによる不正入国かどうか」などをマイナス要素とするガイドラインに従い、総合的に判断すると規定。ウティナン君の事情を総合的に判断し、在留許可を与えなかった国の判断が誤っていたかどうかが争点だった。

 小林裁判長は「タイ語で読み書きはできなくても会話は可能で、日本語を短期間で取得した意欲や能力は高い。タイに帰国しても生活に困難は生じない」と指摘。「ウティナン君が自ら入管に出頭したことや、日本で生まれたことに責任がないことなどを考慮しても、在留許可を与えなかったことは不当だったとはいえない」と結論付けた。

 判決後に記者会見したウティナン君は「今後の状況は考えられない。今後も日本にいたい」と話した。

 支援団体側も「他の同世代の子供は将来を考え始めているのに、ウティナン君はそれができない。今後も支えていく」と述べた。

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