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【熊本地震】専門家「気象庁予測が重大性を矮小化した」「余震発生20%」で一時帰宅し被害拡大 

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専門家「気象庁予測が重大性を矮小化した」「余震発生20%」で一時帰宅し被害拡大 

熊本地震更新

 熊本地震の被災地では、14日の前震で多くの人が避難したにもかかわらず、その後帰宅して16日の本震で被害に巻き込まれた実態が浮かんだ。「1度大きな揺れが来たら、それを超える余震はない」という意識のほか、気象庁の余震確率が“落とし穴”となった可能性もある。

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 熊本市南区で被災した無職、松野峰博(みねひろ)さん(67)は前震の後、1度帰宅した。「余震が小康状態でもういいだろうと思った」と振り返る。

 被災地では松野さんのように14日夜に避難後、15日に帰宅した人が多い。避難所となった屋内水泳施設「アクアドームくまもと」(熊本市南区)によると、15日朝には約1千人が避難していたが、同日夜には10人程度に減ったという。熊本県益城(ましき)町の自宅で死亡した河添由実さん(28)も14日の地震で避難したが、その後帰宅。16日未明の本震で崩れた家屋の下敷きとなった。「帰宅したため、けがをした人も多いだろう」と県関係者は話す。

 なぜ家に帰ってしまったのか。広瀬弘忠・東京女子大名誉教授(災害・リスク学)は「1回目を乗り切れてよかったと考え、安心感さえ生まれたのでは」と推測した上で、「余震の発生確率」の問題を指摘する。

 気象庁は15日、「震度6弱以上の余震が発生する可能性は3日間で20%」と発表。だが16日に“2度目の震度7”が発生した。この「20%」という数字が「重大性を矮小(わいしょう)化した」と広瀬教授は考える。

 気象庁は20日、過去の経験則に当てはまらないとして、熊本地震で余震の発生確率を発表しない方針を表明。気象庁地震津波監視課は「情報の出し方は必要があれば検討する」と話す。

 群馬大学大学院の片田敏孝教授(災害社会工学)は「災害は本来、想定外に起こる。発信側は受け手が行動しやすいよう表現を工夫すべきだ」と強調した。