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【五輪・お家芸の系譜(8)】ローマ五輪惨敗で「下の毛も剃るぞ!」 日本レスリングの父の緻密な計算

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【五輪・お家芸の系譜(8)】
ローマ五輪惨敗で「下の毛も剃るぞ!」 日本レスリングの父の緻密な計算

東京五輪で5人が金メダルを獲得し、胴上げされる八田一朗。「八田イズム」には緻密な計算があった 東京五輪で5人が金メダルを獲得し、胴上げされる八田一朗。「八田イズム」には緻密な計算があった

 どうも日本人はスポーツに精神性を求めるきらいがある。だから「八田イズム」も誤解されてきた。

 「日本レスリングの父」と呼ばれた八田一朗は、金メダルゼロに終わった1960年のローマ五輪の後、自分はもとより、役員、コーチ、そして選手全員に丸刈りを命じた。ばかりか、下の毛も剃(そ)らせた。雪辱を期すための檄(げき)であり、誓いでもあった。

 なぜ下まで剃るのかに、こう言った。「生えそろうまで3カ月ほど、トイレや風呂に入るたびに反省するだろう」

 「剃るぞ!」は八田の代名詞になった。

根性論にあらず…したたか、巧みな話題づくり

 ほかにも、上野動物園でライオンとにらめっこさせたり、沖縄でハブとマングースの戦いを見学させたりした。選手に「夢の中でも勝て」と叱咤(しった)し、色紙を頼まれると「狩の犬 獲物を追って どこまでも」の句を書いた。

 こうしたエピソードからは精神力で勝とうとする根性主義が浮かび上がるが、そうではない。八田は緻密な計算をしていた。

 「剃るぞ!」や「ライオンとにらめっこ」は、マスコミにレスリングを取り上げてもらうための話題づくりでもあった。

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