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九電、最終利益は220億円 電力需給逼迫で下方修正

 九州電力は2日、1月に取り下げ、「未定」としていた令和3年3月期の通期連結業績予想を発表した。売上高は取り下げ前の昨年10月時点での予想を700億円上回る2兆1300億円、最終利益は同予想を80億円下回る220億円とする見通しを示した。年初来の寒波に伴う「災害級」とも評された電力需給逼迫(ひっぱく)の影響で利益が下振れした。

 経常利益ベースでは、寒波に伴う日本卸電力取引所(JEPX)のスポット価格急騰が330億円の押し下げ要因となった。減益の内訳は九電本体は110億円、主に首都圏で電力小売りを展開する子会社、九電みらいエナジー分で220億円。いずれも需給バランス維持のため市場価格が高止まりする中でも調達せざるを得なかった。経費削減などで230億円を工面したものの、同予想との比較では100億円の減益となった。

 記者会見した長宣也常務執行役員は「(市場価格高騰で)売電収入も得られたが、それ以上に(追加調達の)負担が大きかった」と説明した。

 ●減益要因

 今回の需給逼迫で生じた卸市場価格高騰が業績に影響したのは九電だけではない。

 電力各社はもちろん、大規模な自前の発電所を持つガス、石油各社など幅広い業界で液化天然ガス(LNG)の追加調達をはじめ、想定を超える需要増に対応するための費用がかさんだことで減益が相次ぐ。発電所を持つ事業者が利益を得たとの指摘もあるが、増益となったのは北海道電力や石油資源開発などごく一部にとどまる。

 それでもJEPXを通して電気を調達する新電力業者の一部は自民党内の議員連盟とも歩調をあわせ、政治的な働きかけを強めていた。自前の電源を持たず、市場依存度が高ければ高いほど、高騰が経営のダメージになるため、一度決まった市場価格を見直し、新たな単価を設定してさかのぼって売買をやり直すよう要求した。

 ●一定の歯止め

 ただ、2月17日に開かれた経済産業省総合資源エネルギー調査会電力・ガス基本政策小委員会で、資源エネルギー庁は「何ら事前の策を講じなかった事業者だけに着目して、市場参加者に対し、市場取引の結果を遡(そ)及(きゅう)的に見直すような措置を講ずることは慎重であるべきではないか」とあしらった。

 電力逼迫や市場価格が高騰した要因については今後も検証が続く。そんな中、一部業者の行き過ぎとも言える主張に歯止めがかかったことは評価できる。(中村雅和)

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