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【しずおか・このひと】静岡厚生病院の小児科医、田中敏博さん(53)コロナ健康観察、患者・保健所の支えに 

小児科医・田中敏博さん
小児科医・田中敏博さん

 静岡市は1日、軽症や無症状で自宅療養している新型コロナウイルス感染者の健康観察を、保健所に代わって医師が行う仕組みを導入した。静岡厚生病院の小児科医、田中敏博さん(53)が主に子供の感染者を対象に昨年10月から実施している、同様の試みが先駆けとなった。漠然とした不安を抱きがちな隔離療養中の患者に、毎日医師が電話で健康観察することは業務過多で疲弊する保健所職員の負担軽減に貢献するばかりでなく、患者の心の支えにもなっている。

(田中万紀、写真も)

 --健康観察を始めたきっかけは

 「子供がコロナと診断されて自宅などで療養に入ると、ちょっと調子が悪いから医者にかかるということができない。遠隔診療が柔軟に利用できるようになったので、医者が電話で毎日連絡を取れば、患者は安心感を得られるし、保健所の業務軽減にも貢献できるのではないかと提案しました。保健所は患者や濃厚接触者に多い時で1日400~500本の電話をかけていたと聞きます。その中の数人でも医師が受け持てればと考えたところ、たまたまこの病院に余力があり、スタッフの理解もあったのです」

 --現在の活動は

 「昨年10月末から電話による遠隔診療を行っています。これまでに34世帯を担当しました。子供が44人、大人が30人、濃厚接触者になった兄弟姉妹や家族もいました。初回は対面診療で、その後は毎日朝夕2回、電話越しに体調を確認して悩みごとも聞きます。学校や園と連絡を取ったり、家族の会社復帰の相談に乗ったりもしています。自分の勉強にもなっている」

 --医師が健康観察することで保健所の負担軽減にもつながる

 「それは間違いない。役割分担として自宅療養者に対応できる医師の存在に着目してもいいのではないか。診療のイロハのイは診て話を聞くこと。コロナの患者を直接診ることは難しくても、電話で話すことならできる。しっかりと話をする診療がいかに大切なことか」

 --先進的な試みなのに、他の地域にはあまり広がっていない

 「ほかの病気なら調子が悪くなれば自分の判断で病院に行けるのに、新型コロナにかかって隔離中だと病院に行けない。それが制度の盲点だ。療養中の患者には、陽性と診断した医師がそのまま電話診療する選択肢が初めに設定されていればよかった。療養中の患者や家族にはさまざまな不安が生じることもある。そういった心理を想定して対策を考えれば、何もかもを保健所が担う今の状況をもう少し解消できるのではないでしょうか」

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