PR

地方 地方

【深層リポート】埼玉発 コロナ禍の首長選「現職優勢」 有事は安定重視? 投票率も低下

市長選告示日に、街頭で候補者の訴えに耳を傾ける有権者ら=1月17日、埼玉県川越市(中村智隆撮影)
市長選告示日に、街頭で候補者の訴えに耳を傾ける有権者ら=1月17日、埼玉県川越市(中村智隆撮影)

 新型コロナウイルスの感染拡大後、埼玉県の首長選で「現職優勢」の傾向が顕著になっている。前回の緊急事態宣言が発令された昨年4月以降、現職に新人が挑む構図になった全ての首長選を現職が制しているのだ。全国的な動向とは必ずしも合致しない選挙事情の背景には何があるのか。

駅立ちも限定

 「有権者に『若さ』『パワー』といった強みをアピールし切れなかった」

 1月24日投開票の埼玉県川越市長選に立候補した新人で元市議の川目武彦氏(43)は、現職の川合善明氏(70)=自民、公明推薦、社民支持=との一騎打ちに敗れた選挙戦をこう振り返る。

 新型コロナウイルス対策強化などを公約に掲げた川目氏は当初、多くの有権者と触れ合うことができる駅前での演説に力点を置いて戦うつもりだった。ところが、1月7日の緊急事態宣言再発令によって戦術の練り直しを迫られた。

 「宣言が出ているのに駅前に立ち続ければ、公約のコロナ対策と矛盾する行動になる。結果として駅立ちの時間帯を限定せざるを得ず、有権者に政策を訴える機会が減ってしまった…」

 川合氏も集会の規模を縮小するなどの対応をとったが、川目氏に約1万票の差をつけて4選を果たした。川合氏を応援した県議は「有権者の最大の関心事はコロナ対策だ。これまで取り組んできた現職の実績が選挙戦で最大の強みになった」と明かす。

盛り上がりにくい

 埼玉県内で昨年、現職と新人が対決する構図となった首長選は坂戸市長選(4月12日投開票)、美里町長選(同26日投開票)、新座市長選(7月5日投開票)、富士見市長選(同26日投開票)の4つで、いずれも現職が当選した。平成12年から令和元年までの20年間をみると、同様の構図の首長選全てを現職が制した年は平成28年だけだった。

 来年に改選を控える県内の市長の一人は、新型コロナウイルス感染拡大と「現職優勢」の潮流は無関係ではないとみる。

続きを読む

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ