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ワクチン用超低温冷凍庫 車載電源でも零下120度 静岡・沼津の40人企業が開発

零下120度でワクチンを保管できる超低温冷凍庫=静岡県沼津市宮本のエイディーディー(田中万紀撮影)
零下120度でワクチンを保管できる超低温冷凍庫=静岡県沼津市宮本のエイディーディー(田中万紀撮影)
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 新型コロナウイルス対策の切り札として期待されるワクチン接種。国民全体への大規模接種に向けた課題の一つが、米製薬大手ファイザー製ワクチンの零下75度とされる超低温での輸送や保管だ。そんな中、静岡県沼津市の社員わずか40人のメーカー「エイディーディー(ADD)」が特殊なワクチン専用冷凍庫を開発した。“ワクチン作戦”の最前線を担うことになる関係者から、注目を集めているという。(田中万紀)

超低温冷却に特化

 開発したワクチン輸送・保管用冷凍庫は高さ94センチ、幅54センチ、奥行き80センチ。コンパクトながら5千~1万本のワクチンが保管できる。しかも、業務用の200ボルトに限らず、家庭用の100ボルト電源や車載電源でも零下120度に冷やせる扱いやすさ、無電源でも約2日間維持する保冷力まで持つ優れもの。

 東名高速道路愛鷹スマートインターチェンジ近くの駿河湾を一望できる高台に、同社本社はある。釣り好きの下田一喜社長が創業した超低温冷却事業に特化したメーカーだ。厳格な温度管理が必要な半導体工場向けの零下30~同50度の装置や、食品輸送や医療機関に適する零下80~同120度の超低温冷却装置を製造・販売している。

 下田社長が「釣った魚を新鮮なまま長時間運搬できるようにしたい」と旗を振り、一昨年末、零下120度まで冷やせる超低温冷凍庫を初めて製品化した。研究の過程で宇宙航空研究開発機構(JAXA)から「超低温状態でどんな氷ができるのか試したい」と協力を求められるなど、超低温冷却の分野では知る人ぞ知る会社だ。

 「ずっと超低温を追い求めてきた技術先行型の会社であり、他のメーカーにはできない製品を開発してきた」と礒田茂和執行役員は胸を張る。

車載電源でも零下120度

 同社が「新型コロナのワクチンは零下約80度での保管が必要」との報道を目にしたのは昨年9月。「これは私たちの出番だ」と、すぐに社内で検討を始め、11月半ばにはワクチン保管用冷凍庫の開発開始を公式ホームページで告知した。

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