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「海なし県」山梨が静岡・清水に県有地 年貢米輸送の名残…処分に苦慮

静岡県内の山梨県有地
静岡県内の山梨県有地
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 静岡市清水区の清水港近くに山梨県の県有地がある。フィギュアスケートのリンクほどの2060平方メートル。「海なし県」が清水に土地を持っているのは、江戸時代に甲州から江戸に運ぶ年貢米の保管場所だった名残だ。県は売却も含めて検討しているが、土地には静岡市の記念館や住宅、タクシー会社、歯科医院、自治会館に神社まであり、整理はままならない。(渡辺浩)

海との物流拠点

 昭和期の郷土史家、法月吐志楼(のりづき・としろう)の「清水港史話」によると、6代将軍の徳川家宣が甲府藩主だったころに米置き場ができた。米は甲州の鰍沢(かじかざわ)(山梨県富士川町)から舟で富士川を下り、岩淵(静岡県富士市)を経て、清水港から船で江戸に運ばれた。

 柳沢吉保が藩主のときに別の場所になり、甲州が幕府直轄領になった後の寛保元(1741)年に設置された3代目の米置き場が、今の山梨県有地だ。

 県資産活用室によると、廃藩置県後の明治6年に静岡県が民間に払い下げようとしたが、山梨県が歴史的な所有権を主張し、15年に山梨県有地になった。

 山梨県がこだわった理由について、清水の郷土史を研究する中田元比古さん(56)は「年貢米がなくなっても、山梨としては静岡の塩などを運ぶ物流拠点を残しておきたかったのではないか」と推測する。

「買う財力ない」

 当初は4365平方メートルだったが、道路建設などで今の面積になった。現在の貸し付け先は11の個人・法人で、賃料は年間計約231万2000円。1平方メートル当たり平均約1100円だ。

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