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【深層リポート】沖縄発 戦没者墓苑HP「殉国」削除 国への反発、県が追認の「複雑」

国立沖縄戦没者墓苑の説明文
国立沖縄戦没者墓苑の説明文

 戦後75年の今年、戦没者をしのび、戦後の歩みを見つめ直す取り組みが全国各地で行われた。そんな中、先の大戦で激しい地上戦が繰り広げられた沖縄では6月、糸満市の国立沖縄戦没者墓苑に関するホームページ(HP)の殉国を示す文言が、批判を受けて削除される問題が起きた。同墓苑は、沖縄ご訪問の皇族方や政府要人が必ず参拝する重要な慰霊施設だ。節目の年に、何があったのか-。

「犠牲美化」と批判

 問題となったのは、墓苑の清掃管理などを委託されている沖縄県平和祈念財団のHPに書かれていた「国難に殉じた戦没者の遺骨を永遠におまつりするのにふさわしい墓苑」という表現。同財団によると、数年前にHPの内容を更新する際、各地の慰霊祭での追悼文などを参考に、墓苑の説明文をより丁寧に書き直した。

 しかし6月、一部の識者らが「戦争の犠牲を美化する」と批判していることが新聞などで取り上げられたため、「国難に殉じた戦没者」の部分を削除し、更新前の表現に戻す形で修正したという。

 同財団の担当者は産経新聞の取材に、「『国難に殉じた』という言葉自体に問題があるとは今も思っていない。しかし、墓苑は全ての人が静かな気持ちで戦没者を悼む場所であり、一部でも批判がある以上、元の表現に戻すのが適切と考えた」と話す。

発端は式典会場変更

 糸満市の平和祈念公園内にある墓苑には、沖縄戦で亡くなった軍民18万余柱の遺骨が納められている。静謐(せいひつ)な環境が保たれ、これまで管理面などで批判が上がることはなかった。それがなぜ、問題になったのか。

 発端は、沖縄戦の追悼式典の会場変更問題だ。

 沖縄県は毎年、6月23日の「慰霊の日」に平和祈念公園内の広場で戦没者追悼式を営んでいる。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模を縮小し、当初は会場を同じ公園内の墓苑に移す予定だった。

 ところがこの方針に一部の識者らが反発。「国家の施設である国立墓苑で追悼式をすることは、国家が引き起こした戦争で肉親を亡くした県民の感情とは相いれない」との主張を掲げ、県に会場を広場に戻すよう要請した。その際に識者らは、墓苑のHPについても「犠牲を美化するような表現」と批判した。

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