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中山間地の高齢者支援加速 オンライン診療や電動車いす…自治体が実証実験 静岡

 県内の中山間地に暮らす高齢者を支援する動きが活発化している。浜松市などで患者を遠隔診断するオンライン診療や、移動手段として電動車いすを活用する実証実験が始まった。過疎化と高齢化が急速に進む中山間地での生活をどう維持するか-。自治体では、長年の課題を克服する方策を模索している。

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 浜松市や、同市に本社があるドラッグストアチェーン「杏林堂薬局」などの官民連携で今月から同市天竜区春野町で始まったのは、移動診察車を用いたオンライン診療の実証実験。国の次世代交通サービス「MaaS(マース)」推進事業として採択され、高齢化が進む同町で今後も適切な医療サービスが提供できる体制を探る狙いだ。

 実験では、看護師らが乗った移動診療車が高齢者約10人の自宅近くを訪問。車内で血圧計測などをした後、情報通信技術(ICT)を活用し、普段通院している診療所の医師が画面を通じて診断する。その場で服薬も指導し、必要な薬はドローンで自宅近くに届けたり、杏林堂薬局が配送したりする。12月下旬まで実施する予定。

 春野町は人口約4千人、高齢化率50%。地域の高齢者は現在、地元の診療所による訪問診療のほか、マイカーや家族の送迎などで受診している。しかし、今後は運転免許証の返納などで移動困難となる高齢者が増え、通院が厳しくなる事態が予想される。

 実験に参加する「小澤医院」の小澤靖院長は、医師も高齢化し、訪問診療も体力的に難しくなりつつあると指摘した上で、オンライン診療について「交通弱者の患者が訪問診療と併用すれば、安心感が芽生える」と期待する。

 一方、静岡市は今月から大川地区(葵区)の高齢者約10人に電動車いすを無料で貸し出した。衛星利用測位システム(GPS)で、貸し出す前後の行動範囲の変化を調査。利用者には使い勝手などを日記に記録してもらったりし、暮らしに必要な移動手段として有効かどうかを探る。国の「多様なモビリティ導入支援事業」の実証実験の一環で、11月中旬まで実施する。

 大川地区は人口685人、高齢化率は57%になっている。市の担当者は「自宅から、バスの停留所や近所の商店までといった短い距離の移動を補完する手段として、電動車いすを活用できるかを検証したい」と話している。

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