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「創作こけし」コロナで苦境 訪日客重点が裏目に クラウドファンディング始める工房も 群馬

 おかっぱ頭に丸みを帯びた胴体、シンプルな造形に東洋美を宿したデザイン。こけし生産量日本一の群馬でひときわ輝きを放つ創作こけしは「卯三郎こけし」(榛東村)を筆頭に海外での評価も高くインバウンド(訪日外国人)向け土産としても人気が高かった。ところが新型コロナウイルス感染拡大の影響で注文は消え、休業が続く。先が見えない中、クラウドファンディングで、こけし作りを再開しようという工房も現れた。(橋爪一彦)

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 東北地方の伝統的こけしに対し、創作こけしは定型にとらわれない自由な形状が特徴で、牽引(けんいん)してきた卯三郎こけしは売り上げも順調で、東京・浅草や京都など全国の観光地の販売店や問屋にこけしを卸していた。

 ところが今年3月、注文が途絶えた。コロナ禍の影響だ。4月には工場の稼働を止め、従業員20人は休業補償を受けて自宅待機に。欧州向け輸出は夏以降、若干持ち直したものの、店頭販売を含めても売り上げは例年の9割減状態が続く。

 二代目卯三郎で県こけし協同組合の代表理事でもある岡本有司氏(72)は「まったく先が見えない。観光客が少ない状態では売り上げも期待できない。コロナ騒動が落ち着き、来年の東京五輪開催に期待するしかない」と肩を落とす。

 そんな中、「クラウドファンディングで資金を集め製作を再開したい」と声をあげたのが晃常こけし工房「こけしげ」(吉岡町)の田中重巳代表(43)。昨年は、おさげ髪の女の子など外国人旅行者に人気の創作こけし作りに追われ、フル生産で月間約2千体を全国に出荷していた。今年1月からは東京五輪・パラリンピックに向け新作デザインの準備に入っていた。

 しかし3月、インバウンドがまったくなくなり注文もゼロになった。工房は4月以降、5カ月休業し、5人いた職人は同じく自宅待機中だ。日本政策金融公庫の特別貸付を受けたものの、固定費や家賃の支払いなどがあり、「いつまでもつか…」(田中代表)。

 東日本大震災後、注文が激減したことがあったが、半年で回復した。今回は先が見えない。インバウンドに重点を置き過ぎ裏目に出たといい、「資金が尽きたら廃業するしかない」。そんな危機感からクラウドファンディングを始めた。

 フェイスブックなどで支援を呼びかけ、目標は300万円。1口3千円から。5千円からは、こけしやオリジナルグッズなどの返礼品を用意している。田中代表は「外国人旅行者だけでなく、日本人にも受け入れられる新たなこけし作りに挑みたい」と決意を新たに呼びかけている。

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