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静岡大新学長に再編慎重派の日詰氏 持論封印、対話で一致点模索

 静岡大は20日、任期満了に伴う学長選考会議で、次期学長に人文社会科学部長の日詰(ひづめ)一幸氏(65)を選出したと発表した。任期は来年4月1日から4年間。日詰氏はこれまで、同大と浜松医科大が昨年3月に合意した法人統合・大学再編計画に慎重姿勢を示してきた。だが20日の記者会見では持論を封印し、推進派とも対話を重ねて一致点を模索する考えを表明した。

 再編について学内で賛否が渦巻く中、学長選考は日詰氏と、再編に前向きな工学部長の川田善正氏(57)との一騎打ちだった。最終的に教職員による意向投票で日詰氏の得票が川田氏を上回り、学長選考会議で選ばれた。今後、再編をめぐり難しいかじ取りを迫られるのは避けられない。

 両大学は、令和3年度までに静岡大と浜松医科大の両法人を統合し、2つの新大学が傘下に入る「1法人2大学」で合意した。具体的には、静岡市内の新大学は現在の静岡大静岡キャンパス、浜松市内の新大学は現在の静岡大浜松キャンパスと浜松医科大が統合-という計画だ。しかし、静岡大が分割されることから静岡キャンパス側や静岡市などの反発は根強い。

 日詰氏は会見で、再編計画について「私自身の考えは変わっていない」としながらも、「それを押し通すことで大学全体が動けなくなってしまうことがあってはいけない」と慎重に言葉を選んだ。その上で「教職員の間に賛成も反対もあり、意見を聞いて双方の合意点を導き出したい」と対話路線を強調した。

 「川田先生を推した支持者の意向を無視するわけではない。(両方の)思いをつなぎ合わせる方法を模索する」とも語り、「決してやさしい道ではない。いばらの道だ」と表情を引き締めた。

 学長選考会議は選考理由の文書で、両大学の合意に関して「尊重し対応していくことを期待する」と明記。会見に同席した榊裕之議長は「両大学の信頼関係を維持するために尊重してほしい」と念を押した。

 萩生田光一文部科学相は閣議後記者会見で日詰氏選出について問われ、「大学間だけではなく、地元自治体や産業界とも将来構想を練り上げてほしい。合併協議のプロセスを承知している人なので、方向性は変わらないと期待したい」と話した。

 日詰氏は、名古屋大院法学研究科中退。名古屋音楽大専任講師を経て静岡大。平成12年から教授、29年から人文社会科学部長を務めている。長野市出身。

                ◇ 

 静岡大次期学長選出を受け、静岡、浜松両市長は20日、コメントを発表した。

 田辺信宏・静岡市長「統合再編は、国が提唱する国立大学改革の流れを受けたものと理解している。これまで培われてきた歴史の重みから、静岡大を分割することに不安を感じられる方がおられ、再編に慎重な立場である日詰氏が選考されたことは、そうした声の表れだ」

 鈴木康友・浜松市長「統合再編について両大学の機関決定として合意されたものであり、計画通り進めるべきと考える。市が設置した協議会では産官学のより一層の連携強化による地域貢献など、大学と浜松地域の未来に向けた発展的な協議をしたい」

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