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【日々コレ好日】探究心を取り戻す「装置」

 コロナ禍の図書館には杓子定規(しゃくしじょうぎ)とも思える感染対策があり、利用者を窮屈な気分にさせる。図書館の生命線は「居心地」と思うだけに足が遠のいている。

 水戸市郊外に本好きに愛される私設図書館がある。「佐川文庫」という。元水戸市長の故佐川一信の蔵書やCDの名盤が集められている。「読書文化の復権」を唱えた氏の思いが詰まったサロンといえば分かりやすい。水戸支局時代、仕事を抜け出して、ここで心身の疲れを癒やした。

 静謐な雰囲気の佐川文庫に対して、所沢市東所沢和田に完成した「角川武蔵野ミュージアム」の「本棚劇場」は、雄大なコロシアムのような空間だ。配架中の劇場内を見学させてもらった。高さ約8メートルの巨大本棚には古今東西の書籍がやや無造作に並ぶ。手に入らないような希少本も多い。時空を越えて本が飛び出してきそうな錯覚にとらわれる。

 新型コロナの影響で文化・芸術に触れる機会がめっきり減った。例えば、探求心や好奇心。家にこもりがちで、さびついた感覚をここは呼び覚ましてくれる。「三度の飯より本が好き」という本の虫にとっては最高の居場所となり、時間が過ぎるのを忘れさせてくれそうだ。

 「不易流行」。角川書店の創業者、角川源義の経営理念を今に受け継ぐ精神に感服した。11月6日のグランドオープンが待ち遠しい。 (日出間和貴)

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