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小坂鉱山中興の祖の不屈の姿をコロナ禍の今へ 康楽館館長、高橋竹見さん(66)

康楽館の前で創建110年特別公演について語る館長の高橋竹見さん=秋田県小坂町(八並朋昌撮影)
康楽館の前で創建110年特別公演について語る館長の高橋竹見さん=秋田県小坂町(八並朋昌撮影)

 秋田県でひときわあか抜けたイメージの小坂町。その核となる旧小坂鉱山と町の原型を作った実業家、久原(くはら)房之助(1869~1965)の七転八起の奮闘を描く舞台「リトライ! 風そよぐ町から」を、久原が遺(のこ)した芝居小屋「康楽館」の創建110年特別公演として企画した。

 「何度もの挫折や失敗を乗り越えた久原の不屈の姿を、コロナ禍にあえぐ今に伝えたい」という。

 康楽館は明治43年の創建。現役の芝居小屋では日本最古級で、国重要文化財でもある。木造2階建ての外観はアメリカ木造ゴシック風、内部は和風で、直径約10メートルの回り舞台と桟敷、花道を備える。小坂鉱山の厚生施設として作られた。

 「銀の枯渇と通貨の金本位制移行で閉山寸前の小坂鉱山を、黒鉱から銅を取り出す精錬で蘇らせ、日本一の鉱山にしたのが久原。上水道や病院、電気鉄道、それに娯楽の場としての康楽館と、当時の先端インフラを備える理想郷として小坂町の原型を作ったんです」

 久原は現在の山口県萩市出身で、商社マンとしての渡米の夢を絶たれ、叔父率いる藤田財閥の一員として小坂鉱山立て直しに携わった。後に日立製作所や日産自動車の原点である久原財閥を統率。政治家として立憲政友会総裁も務めた。

 上演は、同館で長年常打ち芝居を続ける下町かぶき組(東京都足立区)の劇団誠流。脚本も同劇団の星誠流座長に依頼した。「資料や情報をすべて渡して、単なる英雄像ではなく、挫折や失敗、周囲の人々との助け合いなど“人生の抑揚”が盛り込まれた」

 しかし、コロナ禍で公演休止が続き、独立採算で13人のスタッフを抱える同館は苦境に立たされた。

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