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「ろう者の文化知って」 平塚の高校生、コロナ禍も工夫

 「ポイントカードありますか?」。3月、県立平塚ろう学校高等部3年の下地茜さん(17)はマスクでコンビニエンスストア店員の表情が見えず、話の内容を読み取れなかった。「距離を取るので外してほしい」と伝えたが、店員は聴覚障害者と分からず、一瞬困ったような目に。やっぱり迷惑なのか-。そう感じた。

 新型コロナウイルスの感染拡大でマスク着用が定着する中、ろう者が意思疎通に困っている。手話を読み解くには手の動き以外に表情も不可欠で、特に口元が隠れると微妙なニュアンスが伝わらないからだ。

 同校では、教員や児童生徒に口周りが透明なマウスシールドを配布し不測の事態に対処した。意外だが、顔全体を覆うシールドは「反射で見えづらい」という。

 コロナの情報取得に不便を感じる子供もいる。ニュース番組の手話通訳は増えたが、話す速度や分量によって翻訳が追いつかないことも。また手話は日本語と文法が異なるため、複雑な文だと大事なポイントが伝わりにくい。

 それでも話題のニュースについて手話でコメントする動画をスマートフォンで見たり、休校中にビデオ会議アプリを自主的に使い、クラスの枠を超えて情報共有したり。生徒は工夫しながら、困難な状況を乗り越えてきた。「感染リスクを減らしてコミュニケーションを取れるのも手話の強みだ。コロナ禍を糸口に、ろうの文化を深く知ってほしい」(糠信匡男総括教諭)。手話を操る生徒たちの表情は透明マスク越しでも生き生きと輝いている。

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