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核ごみ調査、賛否に揺れる住民 寿都町長「国民議論へ一石投じる」

文献調査への応募に反対する意見が続出した住民説明会=10日午後7時、北海道寿都町(寺田理恵撮影)
文献調査への応募に反対する意見が続出した住民説明会=10日午後7時、北海道寿都町(寺田理恵撮影)
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 原子力発電で生じた高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分地選定をめぐり、その第一段階となる調査への応募を目指す動きが、北海道寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村で相次いで明らかになった。鈴木直道知事(39)をはじめ道内から反対を受けるも、寿都町の片岡春雄町長(71)は「原発の課題を国民が議論するため一石を投じる」と引かず、小さな町は賛否に揺れている。(寺田理恵)

「賛成者、声出さず」

 札幌からバスを乗り継いで4時間。人口約2900人の寿都町は湾を囲んで小集落が点在する。ふだんは静かな過疎の町が、蜂の巣をつついたような騒ぎとなっている。

 10日午後6時半に始まった中心地区対象の住民説明会。詰めかけた町民263人と報道陣を前に、片岡町長は厳しい町財政を訴え、処分地にすると決めたわけではない点を強調した。

 「地層を調べながら核のごみを勉強する。寿都町に続く自治体が必ず現れる」「核のごみの持ち込みに賛成、反対という段階ではない」などと理解を求めた。

 だが、反対する町民から「最終的に核のごみ場ができる」と国の原子力政策への不信をあらわにする意見が続出。約3時間続いた議論は終始かみ合わなかった。

 終了後、片岡町長は疲れのにじむ表情で報道陣に「励ましの声が相当きているが、賛成者は声を出さない。賛成、反対というと町が二分される」と話した。

候補地公募は難航

 核のごみは放射能が万年単位で残るため、国は地下300メートルより深い岩盤に埋設する施設を全国で1カ所造る計画だが、候補地公募が難航している。

寿都町と神恵内村
寿都町と神恵内村
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 最終処分地の選定は(1)文献調査(2)概要調査(3)精密調査-の3段階で行われ、文献調査受け入れ自治体には交付金最大20億円が支払われる。知事と当該首長の同意がなければ次に進まず、調査期間は全体で約20年を要する。

 国と原子力発電環境整備機構(NUMO)は平成14年から、文献調査を受け入れる市町村の公募を続けている。19年に高知県東洋町が初めて応募したが、反対派が押し寄せるなどして取り下げに至った。名乗り出る自治体が現れにくい背景には、激しい反対が予想されるという事情がある。

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