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【群馬県民の警察官 横顔】前橋東署生活安全課生活安全係長の横手和裕警部補(58)

 ■「犯罪から子供守る」一心に

 小学生の頃から警察官への憧れがあった。端正な制服姿、強い正義感-。そんなイメージに淡い夢を抱きながらも採用試験に合格する自信が持てず、地元の測量会社に就職した。

 社会人になってみて、利益を追求する会社のありように疑問を持つようになった。

 「お金じゃなく、社会に役立つ仕事はできないか」

 わずか1年で退職し、アルバイトで生計を立てながら再起のチャンスをうかがっていた。そんなとき、交番に掲げられていた警察官採用試験の案内が目に入った。

 胸にしまい込んでいた夢を再確認し、「ダメ元」で受験した結果、見事に合格。昭和57年10月1日に巡査を拝命した。

 以来、警察官人生は太田署を振り出しに38年。うち28年超を生活安全部門で過ごした。県警本部少年課や所轄署で、少年に有害な影響を与える「福祉犯」の捜査に主に携わり、その道のエキスパートとして知られる。

 ある児童福祉法違反事件で保護した当時17歳の女子高生の記憶が今も鮮明に残る。

 生徒は家出を繰り返しながら、風俗店に寝泊まりして日銭を稼いでいた。母子家庭である上、仕事が多忙で十分な愛情を与えてくれない母親への反発心もあり、風俗店が「逃げ場」のようになっていた。

 事件を契機に母親は仕事を辞め、家出した娘を八方手を尽くして探し回るなど時間を割いて向き合うようになった。

 「母親の真摯(しんし)な姿勢を目の当たりにして、生徒も次第に立ち直っていった」

 しばらくして、生徒から電話を受けた。大検(現在の高校卒業程度認定試験)を経て大学進学を決めたという。うれしい報告だった。

 「家庭が複雑な事情を抱えるなど、居場所がないと子供も安心できない。大人はまず子供が安心できる環境を提供していかなければならない」

 インターネットの普及に伴い会員制交流サイト(SNS)などを通じて、子供が親以外の大人と簡単に連絡を取れる社会には危険な「落とし穴」が多い。児童虐待も増加の一途をたどる。

 自宅で産経新聞朝刊を開き、自身が受章者であることを伝える記事が目に飛び込んだ。「上司から知らされておらず、新聞を見て本当に驚いた」と笑顔を見せる。

 同居する母親や妻、長男、長女の家族からも相次ぎ祝福を受けた。「家族の支えがあってこそ。感謝の気持ちを改めて強く持てる受章となった」と語った。(柳原一哉)

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