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【埼玉経済ウオッチ】事業転換 利益率No.1目指す  倉庫業に軸足 関東総合輸送

 新型コロナウイルスの感染拡大で企業業績が軒並み伸び悩む中、県北地域で利益を確保し続ける物流会社がある。行田市の関東総合輸送だ。当初は高コストの運送業主体だったが、倉庫業に軸足を移して経営の効率化を進め、利益率を伸ばしている。健全経営の秘訣を清水浩社長に聞いた。

 関東総合運輸の令和2年3月期決算は、売上高が31億円だったのに対し、経常利益は15億円、最終利益は12億円を確保した。清水社長は「かつての運送業主体から倉庫業に転換し、少数精鋭主義の下で利益率を大きく向上させた」と話す。

 コロナ禍でも需要は堅調で3年3月期は売上高35億円、経常利益は22億円、最終利益は15億円を見込む。「前期は物流センターの償却費などが負担となったが、今期は償却費が少なく利益率は大幅に伸びる見通し」(清水社長)という。

 関東総合輸送は平成元年、清水社長の父、茂氏が運送会社として立ち上げた。トラック7台でスタートしたが、順調に業績を伸ばし、ピーク時には160台にまで増やした。

 しかし茂氏は交通事故の多さや燃料費の高騰、ドライバー確保の難しさなどから運送業の将来に不安を感じ、倉庫業への参入を決意。11年に熊谷市に物流センターを建設した。

 当時はまだ運送業と倉庫業の両方を手掛ける企業はなかった。茂氏は相乗効果が生まれると考え、2つの事業をつなぎ合わせて、旧態依然とした業界の慣習に風穴を開けようとした。

 果たして、茂氏の考えは当たった。保管から流通加工まで幅広くこなしてノウハウを蓄積し、16年には本社のある行田市に大規模集中型倉庫を建設。現在、支社も兼ねる物流センターは川越(川島町)、狭山(日高市)、熊谷(深谷市)、幸手(杉戸町)の4カ所で展開する。合計の延べ床面積は25万4千平方メートルと、県内に本社を置く物流事業者ではトップクラスを誇る。

 だが運送業では、燃料費が高くなる一方で運賃は思うように上がらず、コストがかかって利益が目減りする状況となっている。このため保有するトラックは34台にまで減らし、事業をスリム化。現在の売上高比率は倉庫業が9割、運送業は1割となっている。

 倉庫業は好調で、清水社長は「物流センターはいずれも満床の状態。圏央道沿線中心に倉庫需要は当面続く」とみる。令和3年4月にも県が整備を進める「鴻巣箕田地区産業団地」への進出を予定し、近い将来には川島町に7棟目となるセンターの建設を目指している。

 今年は創業30年の大きな節目でもあり、創業地の深谷市など関係する自治体に寄付金を贈呈。このほか、行田市にマスク1万枚を寄贈するなど、社会貢献事業にも力を入れている。

 茂氏からバトンを受け、社長になって今年で14年。清水社長は物流業界で「利益率ナンバーワン」を目指し、「倉庫の延べ床面積を10万坪(33万平方メートル)とするのが自分の代の仕事だ」と意気込んでいる。 (土持功・東京商工リサーチ埼玉支店長)

 つちもち・いさお 昭和47年、宮崎県生まれ。立正大学卒。平成10年東京商工リサーチ入社。東京支社調査部を経て、27年6月より現職。趣味はサッカー(最近は観戦が主)、ランニング。

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