PR

地方 地方

高齢者施設向けコロナ対策教材 都が作成、図解や写真多用 即戦力養成期待

 高齢者施設での新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、都は施設向けに専門家が監修したコロナ対策の教材を初めて作成した。図解や写真を多用し短時間で対策のコツが学べるため、即戦力養成の期待がかかる。ただ、教材が推奨する濃厚接触職員の陰性後10日間自宅待機などを実行すると、一度に多くの職員が待機となることも想定され、感染症対策と介護サービスの維持を両立させる困難さが改めて浮き彫りになっている。(王美慧)

                  ◇

 ▼プライベートも

 都によると、1日時点でコロナ感染者の報告があった都内の高齢者施設は計42カ所(別集計の八王子市を除く)。これまで施設は、国が示したノロウイルスなどの感染症対策マニュアルを基に独自マニュアルを作成するなどして、暗中模索でコロナに対応してきた。

 都の教材は都福祉保健局のウェブサイトで7月末に無料で公開された。担当者は「独自マニュアルで対策が十分なのかという職員の不安を払拭し、現場の後押しとなれば」と話す。

 教材はカラーで全22ページ。感染者が出た施設に聞き取りを実施して必要な情報を選定し、感染症専門の医師が監修した。内容は、標準的な予防策などの「基礎知識」と、感染疑いとなった利用者の介助法などの「実践編」で構成している。

 基礎知識では、職員がウイルスを持ち込まないために、プライベートで人混みや密になりやすい場所を回避▽感染者と接触した可能性を知らせるアプリの活用▽施設の休憩室など狭い空間での密集回避-などの注意事項を提示している。

 認知症でマスクの着用や感染予防行動が難しい高齢者も施設にいるため、職員自身の対策が重要となる。「3密を回避し、業務時間外も含めた対策の徹底は従来の感染症対策と異なる」と都担当者は強調する。

 ▼原則10日間待機

 陽性が判明した高齢者は原則入院するが、検査結果が出るまでの間など施設内で数日間待機する場合があり、職員が通常業務と並行して対応する必要がある。

 このため実践編では、防護服の正しい着脱法や食事介助、排泄(はいせつ)介助などについて写真などで例示。陰性判明後も原則10日~2週間は個室でケアすることが望ましいとしている。

 濃厚接触した職員は自宅待機とし、陰性後も高齢者の感染を最小限に抑えるため、原則10日間の待機を強く薦めている。ただ、一度に複数人の職員が濃厚接触者となるケースも想定され、検査も含めて長期間の待機となれば、施設運営が継続不能となりかねない。

 ▼人手派遣を検討

 ある施設では、感染者が1人出た影響で介護職員の3割に当たる約15人が濃厚接触者となり、営業を自粛した。別の施設では、介護崩壊する危機感から「濃厚接触者でも勤務を続ける」などとする事例もあった。

 こうした現状について都の担当者は「人手不足とはいえ、10日間の自宅待機はやむを得ない」とする一方で、「現場の課題と感染症対策をどう両立すべきかは、非常に難しい問題。新たに支援策を模索する必要がある」とした。

 問題解決に向け、都は職員不足となった施設に別の施設から職員を派遣する仕組みを検討。施設の要請に対し、都や区市町村の広域的な連携を想定している。担当者は「高齢者を別の施設に移動する方法もあるが、感染リスクが高まったり、認知症が悪化したりする懸念もあり、応援を派遣するのが最も現実的だ」としている。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ブランドコンテンツ