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泥から守った「100万枚」の思い出 熊本・芦北町のフジ写真館再開

営業再開したフジ写真館の蓑田憲明社長 =熊本県芦北町
営業再開したフジ写真館の蓑田憲明社長 =熊本県芦北町

 町で唯一の写真館が、泥水から必死で守ったのは「100万枚」の思い出だった。熊本県芦北町のフジ写真館は、7月の豪雨の大きな被害から立ち直って営業を再開した。「心のよりどころになる場所であり続けたい」。蓑田憲明社長は被災を通じ、写真が持つ役割の大きさに改めて気付かされた。

 7月4日、激しい雨で店の裏を流れる佐敷川が氾濫し、1階のスタジオは1・8メートル浸水。蓑田さんは急いでカメラを2階に移し、100万枚の写真データが詰まったハードディスク二つを背負って逃げた。持ち出せなかったプリンターやパソコンは全滅した。

 写真は、免許証やパスポートが流失して再発行する際など被災者の生活復旧に欠かせない。罹災証明書の発行にも、被害状況を撮影した写真が必要だ。蓑田さんは、パソコンを借り、プリンターを購入して7月13日に営業を再開した。

 七五三や成人式、卒業アルバム用の1枚。前職を辞め祖父の代から続く店に戻って12年間、地域住民の人生の節目を撮り続けてきた。豪雨の後、被災した人から「あの時の写真がほしい」との声がいくつも寄せられたという。大切な思い出を手元に戻してあげることが使命だ。守り抜いた写真データが、自分を支えてくれていると感じる。

 スタジオは柱がむき出しで、床も応急処置で張り替えたベニヤ板のままだ。まだスタジオでの撮影はできないが「写真を必要としながら困っている人の手助けをしたい。やれることをやっていく」と話している。

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