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葉タバコ、ヤマメ…爪跡深く 熊本県の農林水産業被害776億円

変色した葉タバコの葉をそぎ落とす北川浩臣さん=熊本県あさぎり町
変色した葉タバコの葉をそぎ落とす北川浩臣さん=熊本県あさぎり町

 九州の広範囲を襲った豪雨は熊本、鹿児島両県への大雨特別警報発令から4日で1カ月。特に農林水産業に深い爪痕を残し、熊本県の被害額は県の4日時点のまとめで約776億円となり、単純比較はできないものの、農林水産省が3日に集計した全国の被害額(1197億円)の6割強を占めた。

 「収穫の目前だった。もう最悪だ」

 氾濫した球磨川沿いで代々農業を営む北川浩臣さん(58)=熊本県あさぎり町=が手塩にかけて育てた名産の葉タバコの大半が冠水し、500万円の損害を受けた。変色した葉を黙々とそぎ落としながら、「悔しい。これは育てた人にしか分からないでしょう」と落胆した表情を見せた。

 熊本県山江村の「山江村ヤマメ生産組合」の横谷俊治代表(65)も、球磨川支流で養殖していた約6万匹のヤマメが、流れ込んだ泥で全滅した。施設復旧など課題は多いが、「くよくよせずに前向きに復興を目指したい」と強調する。

 全国集計によると、熊本県を含めて計44道府県から被害の報告があった。うち農地の冠水や流出などの被害が1万カ所強、農業用施設などの損壊は約6600カ所に達し、これらの被害額は計473億円になった。林道の崩落といった林野関係の被害が580億円、大量の漂流ごみなどの影響を受けた水産関係は9億円の被害が出た。

 福岡県の被害額は7月31日時点で100億円、佐賀県は7月30日時点で28億円だった。

 林業を基幹産業とする山間部では、被害実態をまだつかめない地域もある。面積の9割超を森林が占める熊本県五木村は、土砂崩れで寸断された山道もある。五木村森林組合幹部は「山に入れず、全容が分からない」と不安を募らせている。

                  ◇

 大分県は4日、7月の豪雨による県内の道路や農林水産業などの被害額が3日時点で466億円に上ったと発表した。平成29年に発生した九州北部の豪雨の約290億円を上回った。今後の調査でさらに増える可能性がある。

 被害は県や市町村が管理する道路や河川などのインフラ関係が333億円、農林水産業が128億円だった。旅館、ホテルも約60軒が被災した。

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