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蛇とカエル祭る集落 秋吉台の西「江原ウバーレ」は特異な地形、独特神事

 日本最大級のカルスト台地・秋吉台国定公園(山口県美祢市)の西に「江原ウバーレ」(同市秋芳町別府)と呼ばれる集落がある。石灰岩が雨水で浸食されてできたすり鉢状のくぼ地(ウバーレ)の底付近に家屋約40軒がひしめく特異な景観で、蛇とカエルを祭る風変わりな神事も伝わる。

 集落は周囲360度を山に囲まれ、南北約1キロの楕円形に近いエリア。石灰岩の柱があちこちに突き出て、急勾配を細い道が行き交う。雨は鍾乳洞に通じる低地の「吸い込み穴」に流れ込む。秋芳町地方文化研究会の蔵本隆博会長によると、川がないため稲作ができず、古くから畑作が中心だったという。

 集落北の木立のムクノキを蛇、南の石灰岩をカエルに見立てて森の神様を意味する「モリサマ」として祭り、畑の収穫期の夏と秋に神事が営まれる。蔵本さんは「蛇とカエルは朝鮮半島の新羅や百済で豊作祈願に使ったつぼに描かれた。大陸から伝わった畑作にまつわる信仰が残ったのではないか」と推察している。

 住人の藤村忠正さん(73)は「モリサマはずっと当たり前の存在。掃除やお供えをして大切にしてきた」と話すが、農業が廃れたためか、神事の参加者は近年激減した。

 伝統を守るため外部の人に集落を知ってもらおうと、友人らと散策ツアーや音楽イベントを企画。一帯が「Mine秋吉台」として日本ジオパークに認定された平成27年ごろから江原ウバーレの名称が定着したという。

 藤村さんは昨年、宿泊もできる立ち寄り所「世笑庵」を自宅近くに建てた。夜には穴の中から見上げたようなまん丸の星空を楽しめるという。「面白いでしょ。もっと江原の風土を知ってほしい」。世笑庵は主に土日に営業し、利用は予約が必要。問い合わせは藤村さんが代表を務める建設会社「正和」(0837・63・0417)。

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