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豪雨被害、励まし背に再起 人吉の焼酎蔵元「仲間がいる」愛飲家からエール

タンクが横転した酒蔵で再起を誓う「大和一酒造元」の下田文仁代表=熊本県人吉市
タンクが横転した酒蔵で再起を誓う「大和一酒造元」の下田文仁代表=熊本県人吉市

 今回の豪雨で、明治から続く人吉市の焼酎の蔵元「大和一酒造元」が大きな被害を受けた。精魂込めて造った原酒は流され、米こうじを作るこうじ室も水浸しに。「焼酎は自分の子供同然だった」。悲しみに暮れる下田文仁代表(53)を支えるのは、復活を期待する愛飲家の声。「多くの仲間がいる。頑張らないかん」と前を向く。

 酒造元は明治31年創業の「大和一醸造元」を前身とし、下田さんは平成22年に代表に就いた。扱うのは米を原料とする熊本県名産の「球磨焼酎」。地元の酪農家から集めた牛乳を使った牛乳焼酎も人気だ。

 4日早朝、大雨を知らせる緊急速報の音で目が覚めた。昭和40年の大洪水でかめが50本も割れた被害の教訓を生かそうと、地下の原酒を高い位置のタンクに移した。「腰まで水が来ても大丈夫だろう」。ホッとしたのもつかの間、突然「バーン」と濁流が扉をつき破って押し寄せた。「土のうを積むことも頭をよぎったが、余裕がなかった」。道路向かいの自宅へ避難するのが精いっぱいだった。

 水が引いた同日夕、蔵の様子を見に行くと、約1500リットルの原酒の入ったタンク十数本が横転して中身が空になったり、泥水が入ったりしていた。壁には水位が約2メートルにも達した跡も。「原酒は製造方法ごとに表情があった。涙が止まらなかった」

 被害総額は1億円以上。販売できる商品はほとんどない。「この先、無収入で耐えられるのか」と不安を漏らす。

 一方、下田さんの元には「頑張ってほしい」とのメッセージがいくつも届いた。蔵元仲間や高校の同級生らも駆け付け、片付けを手伝ってくれる。「何年かかるか分からないが、復活できると信じている」と再起を誓った。

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