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九州豪雨で農業被害深刻、離農の懸念も 農水省、農家とネットで意見交換

豪雨による増水で水没した福岡県小郡市のビニールハウス(九州農政局提供)
豪雨による増水で水没した福岡県小郡市のビニールハウス(九州農政局提供)

 前線の影響で広い範囲を襲った豪雨は、九州の基幹産業でもある農業を直撃した。農地への土砂流入や、ビニールハウスや農業用機械の損傷など大きな被害が出た。農林水産省のまとめでは、今回の豪雨による農林水産関係の被害額は全国で560億円超。大半は九州に集中し、甚大な被害に再建をあきらめて離農の動きが広がると懸念の声が上がる。リスクの大きさから新規就農者の減少も見込まれ、農業を取り巻く環境は厳しさを増す。農水省や各自治体は各地の農業協同組合と連携し、立て直し策の取りまとめを急ぐ。(九州総局 中村雅和)

 「近所では若い農家が増えている。頑張っている彼らが希望を持って農業を続けられるよう、支援をお願いしたい」

 20日、農水省とインターネットで結んだ江藤拓農水相らとの意見交換会。JAみい(福岡県小郡市)本所で参加した同県久留米市の小ネギ農家、小坪修一氏は悲痛な声で訴えた。

 小坪氏の畑がある久留米市北野地区は、今回の豪雨で筑後川支流の水があふれる「内水氾濫」の被害を受けた。良質な砂地が広がる同地区では、葉物野菜を中心に栽培。県内最大の農業産出額を誇る久留米市農業の中心的な地域だ。法人化し、外国人技能実習生を受け入れるなど規模拡大を目指す生産者も多い。

 ただ、毎年のように豪雨被害に襲われ、大きな被害を受けてきた。

 意見交換会では、ラディッシュ農家の楢原恵介氏も「2日間、畑から水が引かなかった。(再開に向け)次期作や肥料などの支援をお願いしたい」と訴えた。

 農水省が各自治体からの報告を集計した農林水産関係被害額は全国で563億円(18日時点)。このうち林業の被害額が294億円に上り、農作物の被害額は77億円。福岡、熊本両県の農業・畜産用機械と共同利用施設の被害額は55億円だった。

 同省は18日に熊本、鹿児島両県の農業関係者とインターネットを通じて意見交換。20日には福岡県と大分県の農家や各自治体の首長らと意見を交わした。20日の意見交換では、江藤農水相は「生産者が作物を出荷できないことは何よりも苦しいと思う。今月末にも(対策の)パッケージを取りまとめる」と伝えた。

 九州農政局の横井績局長は福岡県小郡市での意見交換後、記者団に対し「農業にはこれまでも高齢化などの問題があった。その上、豪雨に襲われた。農家の心をくじけさせないよう、農水省や各自治体が全力で取り組む姿をお見せすることが大事だと考えている」と力を込めた。

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